あとがき

あとがき


 こんにちは。雛子です。

 「神凪ぐ森で」、いかがでしたでしょうか。長い連載でしたが、ここまでご愛読くださいました皆様には心から感謝申し上げます。


 「神凪ぐ森で」を書こうと思ったのは私がまだ学生の頃で、丁度「悠久なる君へ」を書いている時に読んだ一冊の本がきっかけでした。人の古来の信仰であったカミという存在と、昔から存在した巫女という存在、それから人々の関わりを私なりにファンタジーとして書いてみたいと思い、プロットだけその時にざっと書いて、悠久~が完結してから連載を始めました。社会人に成り立てというのもあり、なかなか思い通りに更新できず、ここまで完結が長引いてしまったこと、本当に申し訳ありませんでした。いつものごとく、ただただ楽しかったです。


 ツイッターやブログを見て下さっている方々はすでにご存じかとは思いますが、私は神社巡りが大好きです。専門的な知識はなくとも、そこにはどんな神様がいらっしゃるのか、おみくじはなんて書いてあるのか(上に書いてある和歌が一番大切らしいですよ……!)、お参りの際の報告はどうしようかと考えるだけでも楽しいです。ちなみに最近引いたおみくじは凶でした。なんてこと。次は出雲に行ってきます。


 島根県の出雲大社や三重県の伊勢神宮をはじめ、日本全国色んなところに神社があります。世界では一神教が多い中で、古来日本は多神教でそれが今も存在し続けていることは本当に凄いことです。実際諸外国の古代文明も多神教が多いのですが、一番人々を治めやすい一神教になっていきます。その中で日本の多神教が消えることが無かった。何かあるのかなあ、と妄想を膨らませずにはいられません。神話もありえない話が並んでいますが、実際は何かモデルがあってできたと考えられています。昔、そこで何があり、どんな人々の思いがあって、その神が奉られているのか……例えば私は浜育ちなのですが、私の地元には龍を奉る諏訪神社(水関係の神社)がかなり多いのです。昔に水害などで悩まされ、それで奉られるようになったのかもしれません。

 他には(ネットの受け売りですが)庚申供養塔があるのなら、開拓や開墾を行ったために中国の庚申信仰をもとに建てられた地域。弁天池も諏訪神社と同様水害が多かった地域(鎌倉や江ノ島でよく見掛けます)、鹿島神社は奉られる神が軍神・武甕雷で、朝廷側が獲得した版図の境界に睨みを効かせるため、紛争の境界の場所だったと言われ、薬師寺などはかつて疫病がはやった場所(奈良の薬師寺が有名ですね)だったりするようです。

 是非地元や旅行先の神社の由縁を調べてみて下さい。当時の人々の想いを知ることができるかもしれません。


 かなりファンタジーが強めですが(知識も不十分なものが多いので……)、楽しんで頂けたのなら幸いです。ファンタジーですので、この物語の朝廷側を「まほろば」と呼び、沙耶や与一のムラに関してはまほろばから遠いあるひとつのムラとして書かせて頂いています。

 本当にありがとうございました。次の連載はエジプトを予定しています。きっとまた長編になります笑 その時はまたよろしくお願い致します!




雛子

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神凪ぐ森で 雛子 @hinako0424

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