心の赴くままに

『世界は思っていたよりも広かった。』
そう思うしかできなかったのは自分がまだ幼いせいなのだろう。
自分には広すぎる世界で、ただひとつの言葉と多くの思いやりを胸に各地を巡った。
亡霊に取り憑かれたように、何かの面影を探していた。それは無くしてしまった自分自身か、彼女の面影なのか。
いつか出会うであろう仲間たちに必要とされた時、彼は何を思うのだろうか。

実際、人の心は単純なのかもしれない。各々が見つけた守りたいもの、それを正義と名付け、ひたすらにそれを貫き通すのだろう。