読了しますと、作品の美しいタイトルがパズルのようにピタリと当てはまることがわかりました…。
ヴァンパイアと人間との、道ならぬ恋。
しかも時代をも逆らって。
しかし、人種や時さえ越えて結ばれようとする二人を引き裂くことなんて誰に出来るでしょうか。
運命でなかっただなんて、もう誰にも言わせないほどの強い意志がそこにはありました。
この物語の凄いところは、純愛を貫くための崇高な精神に戦国の世が絡むところです。
ヴァンパイアと人間という世界観だけでもラブ&ミステリーとして成り立つのに、それにもましてタイムスリップしながら動乱の日本に降り立つ。
そして織田信長までも引き込んだ舞台は戦国の闇を映し出し、新たなストーリーの幕開けでした。
こちらの作家さんの時代背景の知識やプロフェッショナルな感性に圧倒されつつ、ページをめくる指をとめられない壮大なラブストーリー。
ぜひ皆様にも、複雑に絡み合う美しいラブストーリーを堪能して頂きたいと思います。人を支えるのは唯一愛だということを、再認識した素晴らしい物語でした。
読んでいる途中ですが、とても面白かったのでレビューさせてもらいます。
中世ヨーロッパからタイムスリップしたヴァンパイアと、戦国からタイムスリップしたお市の、現代の北海道で出会うところから始まるラブストーリー。
とにかく作品の吸引力が素晴らしい。色々な試練に立ち向かう二人の展開の続きが気になって、ポンポンとクリックしてしまいます。思わず二人を応援したくなります。
テンポはミデアムで読みやすく、ついつい引き込まれてしまいます。キャラ配置も多彩で魅力的です。
吸血鬼の優しさが格好いい。僕も見習いたいです。
こんな設定、誰が思い付くのでしょうか?
舞台は戦国の日本、平成の日本、中世のヨーロッパを飛び交い、織田信長の妹・お市とヴァンパイアの恋を描くラブストーリーです。
突飛な感じもする設定ですが、中身は重厚で、次々に苦難が襲いかかります!
ただラブストーリーと括ってしまうのでは済まされない、異端なラブストーリーかと思います。
お市とヴァンパイアのジョエルの二人の視点で話は進んでいきますが、最後の最後まで展開が読めず、スリリングそのもの!
そして、終盤にかけて物語が大きく動き、目まぐるしく舞台が、時を、国を越えて飛び交います!
大胆な変動の裏には緻密な計算がなされており、ただ感嘆するばかり。
なかなか類を見る作品はないのではないでしょうか。
作者さまの発想力、歴史の知識、感情移入させるパワー、筆致すべてにおいて、文句なしの力作かと思います!
あらすじを読んだ人は、まず本作の設定の大胆さに驚くのではないでしょうか。
歴史上の超有名どころ、織田信長の妹であり浅井長政、柴田勝家の妻となったお市の方。
戦国一の美女と謳われるそのお市の方が、平成の北海道にタイムスリップ。
そこで出会って恋に落ちるのが、十二世紀のバルカン半島からタイムスリップしてきたというヴァンパイアの貴公子、ジョエルなのですから。
生きていた場所も時代も、さらには吸血鬼と人間という立場も越えて魅かれ合う二人には、その後も過酷な運命が待ち受け、嵐に舞う木の葉のように二人は翻弄され続けます。
タイムスリップを繰り返し、お互いの立場を変えながらも二人の愛は変わりません。
大胆かつ怒涛のストーリー展開はラストまでその勢いを保ち、愛し合う二人がどこへ向かうのか目が離せなくなります。
衝撃の連続となりますので、呼吸を整えて読むことをおすすめします!
物語は、織田信長の妹・お市の方がある日城の石垣から足を滑らせ、平成の世へタイムスリップしてしまうところから始まります。彼女が目覚めた場所は北海道、とある美しい洋館の中。彼女を救ったのは——美しい二人のヴァンパイアの青年、ジョエルとセバスティでした。
何が起こったのかすら理解できず、初めて見るものばかりの暮らしの中で、少しずつ現代の様々な物事に触れていく市。それと同時に、時に優しく、時にどこか意地の悪いジョエルに彼女の心は揺れ動きます。元の戦国の世で既に浅井長政へ嫁ぐことが決まっていた彼女は、自分の中に生まれたその想いに戸惑いつつも、抗うことができません。そしてジョエルも、美しく愛らしい彼女に強く惹きつけられていきます。
こうして始まってしまった、戦国の世の姫君とヴァンパイアの恋。この先に待ち受けるいくつもの大きな障害を、二人は乗り越えることができるのか——。
お市の方の日々は、タイムスリップというファンタジー要素と史実に基づいた描写がとてもバランスよく、不自然さを感じさせることなく一つに織り込まれています。ヴァンパイアという架空の存在を恋の相手としながらも、ジョエルの人物像を丁寧に描き出すことによって、いかにも架空の物というような違和感を一切感じさせずに読み手をぐいぐい物語へと引き込んでいきます。
本来ならば恋に落ちることなど許されないはずの二人が、時代を超え、いくつもの障害を越えながら必死に手を繋ぎ合おうとするその姿を、読み手は時に切なく、時にハラハラしながら見守らずにいられません。
物語は、まだ途中です。大きな困難を越えた後に、また新たなドキドキが待っていそうな気配が……。
最後まで目が離せない、姫君とヴァンパイアの深い恋情と愛情を描き出す物語です。