#3
RFが太い右腕で、運転席にいくつもぶら下がった鎖の一つを景気良く引き絞る。がらがらと歯車の噛み合う音がして、車室中央に、赤と青、大きな二つの
「相変わらずハデな仕掛けだな」
「ロマンってやつだよ、ユアサ。しっかり捕まっててね!」
RFが目を輝かせて笑い、それから二つの
――刹那、ユアサとRF、二人の身体は“ブラッシュウッド号”の座席にめり込むように押し付けられた。高出力の
「うおぅ…相変わらずずすげぇパワーだだなお前の
「ふふふんん。駆動力直結だだからね」
機関から伝わる痺れるような振動と、地面から受ける突き上げに踏ん張りながら、RFは先程より少しばかり真剣な表情で歯を食い縛り、しかし鼻歌は止めることなく、
目標は砂埃を上げる後輪架装の間、艦船の真後ろである。時間にすればあっという間であった爆発的急加速が収まった前面窓から見たその背面は、遠目も見えた鉄の箱という印象と違わぬ、まさしく鉄の壁であった。上部やや右よりに、真鍮色そのままむき出しの円筒状の
「よぉし、バカが、見張りはいねェな。このまま行く」
ユアサは慣れた手つきで胸
見開いた眼は、先程までの気怠げな色を手放し、
「永い付き合いだったが、しばしの別れだ。じゃァな」
運転席に向かってそう呟いて、ユアサは二つの釦の右側、青いほうを拳で押下した。
Golden EXxxhaust!! 外伝 - さむらい☆らびっと 山田 有 @u_yamada
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Golden EXxxhaust!! 外伝 - さむらい☆らびっとの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます