#2
「ダイ・ジョウ・ブイ!」
RFは紅色の兎眼を輝かせ、真っ白でけむくじゃらの兎耳をひょこりと動かしユアサにサムズアップをきめた。
「視線を前に、ユアサ。もう少しで岩壁が切れる」
FRの視線と耳先が指し示すほう、延々と続いていた岩山が急峻に地続きになり、青空の左半分が広がっている。急激な地殻変動によって形成されたウエストレッドの岩山は、その勾配が鋭く切れていることが多い。
FRが軽く鼻を鳴らし、運転席のレバーを何度か動かしてからペダルを踏み込んだ。ユアサが素早く
ユアサとRFの視界に見えたのは、岩壁の向こうにいた金属の巨躯だ。距離にして三百
「岩山の向こうにいたあれの音が聞こえてのか。だからの余裕か。いや言えよ…」
「ごめんごめん、もうウン十年はウサギの
RFは悪びれる色もなく淡々と話す。
「まあいい…古くせえ型だが、まぁまぁの大きさってところだな。間違いないか?」
「そだね。前部上部に張り出した
RFの口調は呑気だが、
「見張りも立てないとは呑気だな…死角に寄せられるか」
目を細めて様子を窺うユアサに、RFは応じる。
「付けるとしたら
「それは問題ねェ…いつもどおりだろ」
「そうそう、金欠はいつもどおりー」
RFはけらけらと笑いながら、手際よく
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