僕らは失って生きている
四志・零御・フォーファウンド
失うものはきっと――
僕は壊れてしまいました。
体は痛みを感じません。
心は美しさを感じません。
君に頬を抓られても痛みを感じられません。
君がいつか言っていた、真っ白に雪化粧を施した連峰を、美しいと感じられません。
体を返してください。
心を返してください。
私は壊れてしまいました。
体は君を感じません。
心は愛を感じません。
君の手を強く握っても温かさを感じません。
君がいつか言っていた、愛してるという言葉を、理解することができません。
体を返してください。
心を返してください。
僕は君を失いました。
体は痛みを感じません。
心に寂しさを感じません。
君と手を握っても握り返してくれません。
君との思い出から、何も感じられません。
僕は君の幻聴を聞きました。
それは、君が壊れてしまったからだと。
私は君を失いました。
体は君を失いました。
心は君を失いました。
君と手を握ることは叶いません。
君との思い出も失いました。
私は君の幻聴を聞きました。
それは、旅立ちの合図だと。
僕らは失って生きている 四志・零御・フォーファウンド @lalvandad123
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます