目玉焼きは休憩とのことですが、ハイペース平日更新は変わらずの花盛り青春ラブコメ、7冊目であります。一応ナンバリングは7ですけど、実際は倍近いですよね……そして最新タイトルは17.5冊目……亀の歩みの遅読では秋立ならぬアキレスに引き離される一方でありますが、何はともあれ7冊目です!
平成ももうじき終わろうという今日このごろ、昭和も遠くなりにけりといった具合で、懐かしのガジェットがこれでもかと投入されております。が、今回は更に新機軸が……。
そう、美穂さんです。7冊目にして遂に、主人公君を想う【想い人】が現れるのです!!
当ヒロインがあまりに浮世離れしすぎているために、主人公君は恋愛の駆け引きにおける地雷スキルたる【鈍感力】をなかなか発動できずにいたのですが、想い人の登場により、今回はその能力を遺憾なく発揮しているのです! これぞラブコメ! ナイス美穂さん!!
とはいえ、辛うじて三角関係の体をなしてはいるものの、万年お花畑(失礼)×愚鈍(過言)×美穂さんというそのあまりに歪なバランス・オブ・パワーは到底均衡を保てることもなく、美穂さんの存在感はただ伸びやかに咲き誇る穂先を前に、薄く霞んでしまうのです。うう、哀しや美穂さん……天に二日なく、この地に二本の穂は要らないのでしょうか(落涙)
以上、いち美穂さんファンによる偏向レビューでした(少々ネタバレ気味になってしまいましたが、不憫な彼女を思ってということでご容赦いただきたく……)
いろいろ毎回ネタを仕込んで、読者を楽しませてくれる「秋山が立たされた理由」。
今回は、題名や演出をちょっと変えて、秋山は立たされません。と思ったら、立たされた! こういうお遊びも忘れてません。
今回のネタは昭和。平成もすでに三十年。きみ、平成生まれなの?と職場で焦っていたのもすでに過去。社会は平成生まれであふれている。そんな時代に昭和のあるあるネタをぶち込んで、平成生まれの藍川穂咲が昭和うんちくを披露するたび、秋山道久が、そんなわけあるかっ!と厳しく突っ込む。
あったんです! それが昭和です。
とクスクスしながら、二人の宝さがしにお付き合いしました。
探すのはそう、ずばりタイムカプセル。謎か謎を呼び、だがそんなに複雑な謎でもなく、恋の三角関係を絡めつつ、だがそんなに絡まらず、結局いつもの調子です。
すこしノスタルジックに浸りつつ、あだち充っぽい三角関係に、にやにやしてました。
『秋立』シリーズ7冊目。トータルで第何弾かわかりませんが(笑)、周りのみんなに優しいマイペース穂咲ちゃんとその穂咲ちゃんに振り回され翻弄される道久くんの最強にして最もハートウォーミングな幼馴染コンビの物語です。
好きかどうか考えなくなっただの、ただの幼馴染だのとのたまわっている道久くんの前に新キャラの先輩女子が登場します。
幼馴染に先輩女子の3人で三角関係? と思いきや、どう考えているのかわからない子や超鈍感なヤツや切ない子やらで、一筋縄ではいかないようです。
ここに穂咲ちゃんと道久くんのパパママたちも登場して事態をよりこんがらがせたり、かと思えばほろりとさせてくれる宝探しエピを提供してくれたり。
ああ、あった、あった、昭和の時代に。
なんて言いたくなるグッズの数々。
懐かしく思えるアナタにも、懐かしさを隠したいアナタにも、本当に知らない平成世代のあなたにも。
クスリと、ホロリと、ほわんとさせてもらえる30日間。
のんびり各駅停車の旅をあなたにも。
幼馴染コンビを気に入ってくださったのなら、どうぞシリーズ1冊目からお読みになってみてくださいね。