第23話 彼女の研究

「――以上のように、我々が開発した全脳解析システムにより、腹側淡蒼球がうつ病の多様な病態に関わる可能性が示唆されました。今後、この脳領域の機能解明を実施し、うつ病の詳細な病態解明および個別化医療に貢献していく知見を見出していきたいと考えています」

「それでは質疑応答に移りたいと思います」

「興味深い研究発表ありがとうございました。一点伺いたいのは、この腹側淡蒼球という脳領域がどのような神経ネットワークを形成しているのかという点です」

 手を挙げていた他の聴衆の手が下がる。

「その点につきましては、今後検討する必要があると考えております。構造的なネットワークに加え、機能的なネットワークについても検討する予定です。ご質問ありがとうございます」

「では、次に質問がある方は――」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君の瞳に映るのは まにゅあ @novel_no_bell

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ