炭酸水と犬

作者 砂村かいり

とにかく完成度が高いです

  • ★★★ Excellent!!!

プロレベルの文章…よく整えられていて、とにかく読みやすい。1ページ目を読み終えた時点で「自分には書けない」と思いました。お手上げです。参りました。

本当なら半日で読むこともできるこの作品を、三ヶ月かけてコツコツと読ませていただきました。一気に読むのではなく、丁寧に咀嚼しながら読みたい作品だな、と思ったので。おかげで、この作品世界のリズムが、自分の生活のリズムと同調するような…自分と登場人物たちが同じ時間を生きているかのような感覚を味わうことができました。それくらい、人物や生活の描写がリアルで、繊細で、豊かです。個人的には、特に「匂いや温度がよく伝わってくるな」と感じました。プロアマ問わず、そういう作品は稀少だと思います。

物語については…“恋人に好きな人ができた”という冒頭から「『落下する夕方』みたいな話かな」と想像しましたが、全然違いました。ネタバレになるので細かいことは書けませんが…終始(和佐! しっかりしろ!)と思いながら読んでいました。けど彼のことは憎めなくて…やはり人物描写が丁寧だからか、最終的には和佐くんにも愛着がわいてしまいました。

ああ、ネタバレ…ネタバレしたくないのですが、一つだけ…あの、雪の、白い、電話の、あれ…あのシーンすごくよかったです! 登場人物たちの心情と、物語の展開と情景が相まって、とても…とてもよかったです!(伝われ)

良い読書体験ができました。すばらしい作品をありがとうございました。

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