サブストーリー

Another episode—————山の中の二人

「主はそれで本当にええのか?」

「はい、これで良いんです。…信じてますから。」

山の中の家で女性が2人、対面して座っている。

「美しいが回りくどい愛じゃのう…お陰で家がしばらく手紙だらけじゃ。」

「すみません。ご協力して頂いて本当に感謝してます。」

「なぁに、冗談じゃ。届けるのも良い運動になって良い。それより主。」

「なんでしょうか?」

「村を出て街に出ればもっと良い医者に診てもらえたのではないか?」

「そのつもりはありませんよ。僅かな差でしょうし。それなら1秒でも長くこの村にいたいです。」

「ふむ……辛いのではないか?」

「辛いですが、もう割り切りました。それより何も知らない彼に涙姿でお別れなんて嫌なので。」

もう泣きません、と笑いながら続けた。

「そうか…あいわかった。」

「ええ、では。よろしくお願いします。」




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羚庵堂の手紙 ミロク @Sky-hand-dantyo

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