ある開業前のテーマパークから、特別イベント参加の招待状を受け取った高校生たち。
現地に到着すると、突然謎のゲームに強制参加させられることに!
しかも、そのゲームに敗北した者に与えられる罰とは……。
いわゆるデスゲームですが、話の進め方、罰が与える恐怖を盛り上げる手法がとても上手く、先が気になりすぎてどんどん読み進めてしまいます。
デスゲームには欠かせない、ラストのどんでん返し、その後に後引く余韻も素晴らしく、すっきりとした読後感を味わえます。
恐怖に引き込み、納得のラストでまとめる手腕が光る、読み応えある作品。
きちんとオチのついたホラー、デスゲームがお好きな方にぜひ読んでいただきたいと思います。
私が月花様の作品と出会った時。私にとって月花様は、恋愛作品の女王でした。
次の作品と出会った時、ミステリーの女王様になりました。
さらに、今回の作品と出会った時。私は次のように心配してしまいました。
「月花様に何があったのだろうか」
恐ろしい潰し合いの中に、甘酸っぱさが漂うミステリーでした。
ここで私は、正直困っておりました。
本来、私はデスゲーム系、惨劇系の作品とは距離を置いていたからです。
何故なら『寝た子を起こす無邪気な害悪』と位置付けているためです。
表現の自由を簡単に謳歌できる昨今において、境界線を敷く前に侵食するツールを手にする機会は低年齢化し、選択をする前に突然現れ、囚われたあげく
サイ○パス、メ○ヘラ女(男)に代表される、響きに酔い使用され一人歩きする単語の中にある本来の起因、定義、病に至る危険を見過ごし、
『これが私の個性』『私だけが特別』
という幻想を脳内で現実に変換してしまう。
と、現実とエンターテインメントについて語っていては、何ともつまらない人生でしかないワケなのです。
こんな私のつまらない括りやゴタクさえ吹き飛んでしまう面白さと魅力が、月花様の作品にはあるのです。
そうです。距離を置いている私が最後まで拝読してしまうくらい引き付けられてしまう。
それが、月花様マジックなのです。
少々、閲覧には注意してくださいね。
そんな前置きをしつつも、私が避けたいと位置付ける表現は、スパイスとして必要な旨味を引き出してしまう月花様が駆使するフェアリーテールとの親和します。
それは『ダウト』を語るためには欠かせない表裏の招待状となって読み手を招き入れ、惨劇の風景すら荘厳な舞台装置として我々を虜にするのです。
月花様の懐深い趣向が織り成す『ダウト』。是非ともご堪能くださいますように。
最後になりましたが、月花様。
いつもいつも、素敵な物語を世に出してくださって、本当にありがとうございます。
ご縁がありこの物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
物語は主人公達の元に届いたメールにより、開演前のテーマパークへ招待されるところから始まります。
その中で行われる「ダウト」というゲーム。より大きな秘密を曝け出した者が勝者という、理不尽なもの。
敗者に待ち受けるグリム童話の原作にちなんだ罰から逃れる為に、主人公達は次々と自身の秘密を暴露していきます。
そんな彼らのやり取りと行動。仲が良かった相手すらも疑わしく思え、声を荒げる様子等、極限状態に置かれた人間の様子が丁寧に描かれており、思わず読み入ってしまいました。
ラストに待ち受けるのは、驚愕の真実。それを語るのは、もちろん本編の中です。
デスゲームに放り込まれた高校生達の運命とは。そして主催者の正体と、その目的とは!?
他の皆さまも是非読んでみてください。