恋蝶の夢

作者 宮草はつか

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★★★ Excellent!!!

一話の中に、色んな人物の大切な思いがぎゅっとつめられた物語です。人を、そしてそれの抱える内なる感情を知らなかったミヤマ。自分の中に踏み込んでくる彼を時には拒みながらも、徐々に溶け合っていく少女。その二人の姿がとても暖かく、だからこそ切なく映りました。
そして、少女の身をまるで母のように案じるジョロウグモの言葉が、妖しくも強く響いてきて素敵でした。
“自分の命を抱えるだけで精一杯の子に、他人の命まで背負わせるつもりなのか”――
終わりある命、その中で見る一時の夢。けれどその夢の中に、確かに息づく何かがある。

★★★ Excellent!!!

家に引きこもっている少女が玄関先で見つけたのは無残な蝶の姿。

心の優しい少女は蝶を弔う。
すると黒縁に金緑色の羽を背中につけた青年が家にやってくるーー。

と、鶴の恩返しのような童話テイストでお話が進みます。

一緒に過ごした少しの時間が、すごく儚く、幻想的で、素敵でした。

少女の心に抱えるものが、少しでも晴れていたら良いなと思います。

★★★ Excellent!!!

少女のふとした気まぐれで弔ってやった蝶が、美しい青年の姿で現れる。
蝶のアヤカシは「ここにいさせてくれ」と言うのだが……。

幻想的でどこか懐かしい香りのする、美しい掌編です。

家に引きこもる繊細な少女を守ろうとする、蝶の青年ミヤマの一途な思いに打たれます。

「君は強く、そしてとても、やさしいんだよ」
ミヤマの最後の言葉に、救われる思いがしました。