「本来の用法を知る」のもよし、「本来とは異なる用法を知る」のもよし。

 「言葉を擬人化する」という体裁をとっていますが、基本的には解説がメインといった感じで、同作者の『間違えやすい日本語表現』のショートバージョンといったところでしょうか。内容自体はすでに知っていることも結構多かったのですが、その軽妙な語り口は読んでいて心地良いものがあります。

 個人的に興味深かったのは、「軽率」の回。タイトルだけ見た時は「もしかして本来は『軽はずみ』とは違う意味だったのか?」と思ったのですが、実際の内容はその逆。「本来はネガティブな意味合いだが、最近、一部の界隈ではポジティブな意味で使われている」という内容になっており、ある意味「勉強」になりました。このように、「本来の用法を知る」のみならず「本来のものとは異なる用法を知る」という切り口で読んでみるのも面白いかもしれません。