イソラ

作者 藤井機斎

56

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★★★ Excellent!!!

「イソラ」という作品は、重厚感と緊張感の中にある作品であると考える。

巨軀のヒトガタが静かな浅瀬を、深海を行く。その重厚感は、Web小説に於いて珍しい難解な漢字や表現により効果的に現れている。そして、それらは「イソラ」の世界観を表した上で、読者である我々に緊張感をも与えるのである。しかし、そのような感覚を受けた上でも、読者は難解な表現に煩わしさを覚えず、この物語の世界に飲まれていくだろう、と考えた。

この感覚を覚える理由には、舞台を構成する登場人物や組織の魅力もあるだろう。安曇野や大義達イソラ遣いを始めとする登場人物はそれぞれ、どこか熱いものを秘めているよう感じられ、また櫻冑會は舞台の背景に何か大きい物を感じさせ、謎をも撒く。今後の展開に目が離せなくなることは間違いが無いだろう。

浄瑠璃×リアルロボによる伝奇。重く、迫力あるアクションに緊張感のある展開。複数の要素を見事に纏め上げた「イソラ」という作品を、貴方もぜひ一度、お読みになってはいかがだろうか。

Good!

 多くの魅力的なロボットSF作品を送り出してきた筆者が、満を持して放つ異色作。今までにない文化と文明とが混じり合い、あたかもそれ自体が本来そうであったかのように感じる…二つのアイディアのマリアージュというものが、この物語の魅力でしょうか。また、あえて難解な常用外の漢字を使い、説明セリフ等も最小限に抑える。徹底して作り込まれた作品の雰囲気は、読むほどに世界観へと読者を引きずり込んでいきます。これは凄い!

★★★ Excellent!!!

これがロボット小説なのか、と疑いたくなるほどの文章力に圧巻の一言。一行一行がこれほど日本的に美しく、そして熱く猛るのかと驚いた作品でした。

本作は老人と青年と、そしてイソラという水陸両用人形兵器が軸になった物語。PMCとして、そして国に憂いた『国士』として血湧き肉躍る戦いが繰り広げられるミリタリーロボット小説です。

個人的に特に面白いと思ったのが、イソラという兵器としての特異性。未知の動力で動く全長七メートル余りの巨大兵器でありながら、手に持つ武装はたった一振りの刀。その性能は奇抜かつ未知の領域ではあるものの、現代兵器と真正面から対峙した場合そこまで優位性を保つことはできないというのが面白い。

故に、運用は暗黒ともいえる海中からの隠密作戦となり、その様は正に忍者のごとく。プログラムでは再現できない人間の感触に至るまでの動きをトレースしたイソラは、漆黒の闇の中雷雨に打たれながらも素早く駆け抜け、時には深海という無明の中でさえもその刀を精妙に振り抜き、そして敵を誅する姿はとてもシビレます。

全体的に憂国の士を書きながらも、決して所謂『右』という単純な思想の帰結に留まらず、現在の日本の現状を捉えながらも合理的に描かれた世界観は好きな人にとってはもうたまらない作品です。

謎も深まり、そして能を見ているかのような描写はもう私のこころを掴んで離さないものでした。素晴らしい!続きを楽しみにしています!

★★★ Excellent!!!

謎のオーバーテクノロジーたるロボット『イソラ』をめぐる陰謀、そして乗り手たちの生き様と思い、思惑がこの作品をより熱く、重厚なものに仕上げています。
もちろんロボ物とある通り、その戦いぶりも見事な手腕で描かれており、手汗握る攻防を楽しむこともできるのはひとえに作者様の強い愛情、情熱がこの作品に注がれているからではないでしょうか。

老骨の安曇野氏を含め、どのキャラクターにも譲れない信念や生き様が丹精込めて書かれており、単なるロボ物とは一線を介していると感じます。
人間ドラマ、国家陰謀もの、そして肝となる人間浄瑠璃の組み合わせをぜひ、堪能してみてほしい一作です。

★★★ Excellent!!!

 読んだらきっと貴方に刺さる格好いい軍事SFです。
 キャラが美しい、メカが美しい、戦の一つ一つが美しい。
 元から作者の藤井機斎様は重厚な文章を書く方でしたが、今回はそこに読みやすさへの工夫が加わることで、あっという間に引き込まれる物々しい美文が生まれています。
 その中で舞う“和”のテイストに溢れたキャラ、メカ、思想、戦争、いずれもため息が出るほど美しい。
 その美しさで描くのが軍事SFですよ。
 やばいです。ややもすれば重苦しく泥臭い感覚さえ有るミリタリが、作者様の魔法で幽玄な世界へと変貌する。
 ゾクゾクとしながら一気に読んでしまいました。

★★★ Excellent!!!

まるで濃厚な歴史小説を読んでいるような感覚に陥りますね……それ程に、このイソラは古き良き『和』の要素を感じる。
まずイソラと呼ぶ、古代兵器を現代の技術で蘇られたとされるロボット群。装甲車を相手に戦う姿は、まるで武者のそれ。舞うように、幻惑するように装甲車を相手にする。そんな様子がこの文から読み取れますね。

また作中の至る所に、いわゆる藤井イズム的な作風が感じられる。泥臭さ、伝奇、世界の暗さ(闇の中でネオンが光るようなそんな感じ)などなど、そういったのが好きな方には、実にもってこいですね。

これはまさに、文学的ロボ小説とも言える作品です!

★★★ Excellent!!!

 一気読みしました。
 イソラと呼ばれる4機の異形の人型兵器。浄瑠璃人形に模された操縦系や、忍びの者と呼びたくなるほどの隠密行動に賭ける気迫が、古風な文体で迫ります。
 たったひと振りの刀だけで、近代兵器相手に舞うが如くに戦う雷雨のシーンは、圧倒的な迫力と緊張感があります。
 読みましょう。きっと、この研ぎ澄まされた剣舞の世界に圧倒されるでしょう。

★★★ Excellent!!!

吉川英治の宮本武蔵、司馬遼太郎の燃えよ剣。程昔ではなく、00年代の最近の時代小説を読んでるような文体。
伝統芸能を題材にしてるだけあって作風がどこか厳か。
でてくるロボットも戦術的運用なくしてはまとまに使えない泥臭い機体。
だがそれがいい!
渋く重厚な文は、ビフテキの後にステーキをデザートにするかのよう。
刺さる人には刺さる珠玉の1品

Good!

ウェブ小説といえば、軽めの文章が好まれますが、この物語はやや重い。
読みづらいと思いきや、そうではありません。難しい表現がちらほら見られますが、握る程度で読むぶんにはスラスラ入って来ます。
ライトなノベルから、ちょっと重い感じのものを読みたいなぁという方にオススメです。

★★★ Excellent!!!

伝統芸能に歴史観、そしてロボットモノ。
これらの要素を空中分解させることなく仕上がっている作品、それがイソラです!
つまるところ闇鍋です、今回も非常に濃ゆい闇鍋作品です。

巧みな文章表現により描き出される戦闘は、第二話目にていきなり夜間基地強襲というシチュエーションから始まります。
ミリロボ好き的にはこの時点で燃えるものがあるのですが、流石は人外の描写に長けた作者様。人型と呼ぶにはいささか異形ともいえる巨人〈イソラ〉が日本刀を振るう様を、見事に描き切っておられます。

これぞリアルロボと謳うキャッチコピーに、嘘はありません!
恐らくは壮大さと怪しさを増していくであろう物語に期待しつつ、レビューとさせて頂きます!
お勧めです。