第3話 出会い

彼との出会いは1年前のことだ。今は普通に利用されているTwitterで、地元が同じということで、夏休みを利用し遊ぶこととなった。それが最初の出会いである。


今日は、彼に初めて会う。ネットで知り合ったから、また失敗するかもしれない。変な人だったらどうしよう。考えただけでお腹が痛くなってきた…。まって、これって生理…?つく前に連絡を…。

「ごめんなさい。ご飯食べに行く前に薬局によってもらってもいいですか?」

「え、別にいいけど」

「ありがとうございます」

なんて会話をしてるんだ私。今日初めて会う人に迷惑かけて何やってるんだ…。

しばらく電車に乗っていると待ち合わせ場所の駅に着いた。

「ごめんなさい。ほんとにお腹痛くて…。」

「いいよ。早く車乗りな。この辺薬局あったかな」

すごく気まずい雰囲気になってしまった。何かしゃべらなくちゃ、何かしゃべらないと気が持たない。

「今日の朝は大丈夫だったんです…。ほんと迷惑かけちゃってごめんなさい。」

「いいから。」

あー。笑っていなくちゃ。あほの子してればきっと…。

「ほら、着いたよ。早く買っておいで。」

「はい。行ってきます。」

薬局から帰ってきた私は、その後謝り続けた。

「そういえば今日食べに行くお店ってパンケーキどんなのがあるんだろう…。」

「メニュー見てから決めよう。」

「やっぱり甘党だから生クリームがたくさんのってるやつが好きなんですか?」

「そうだね。甘くておいしいものなら。」

「かわいいですね。」

「意味が分からん。」

普通の会話ができてる…?あっ、ついた。

「人多いですねぇ…。」

「待ち時間長そうだな。」

「ですねぇ。」

「ほら、いくぞ。」

「はい。」

列ができていて、受付の用紙に名前を書いた後、待ち時間を確認した。

「30分待ちか…。」

「車で待ってたらそんなに長く感じないですよ。多分…。」

「そうするか。」

車の中では会話もなく音楽が流れ、彼は退屈だな、疲れた。といった態度で横になっていた。

「あ、あの…こちょこちょって弱いですか?」

「するなよ。」

「え?なら、しますね。」

私は彼の脇腹を軽くこちょこちょし始めた。最初は耐えていたものの、我慢できなくなったのか、手を拘束された。

「やめろっていっただろ」

さっきまで自分の情けなさに下を向いていた私は初めて彼の顔を見た。

笑いながらこちらを見てくる彼は、なんだか可愛かった。普通の顔してるけどそれがまたいい。素敵だな。力もあるし。

「30分経ったよ。行こうか。」

「は、はい…。」

惚れてしまった…みたいだ。私は惚れやすい。すぐに人を好きになってしまう。




LINEでやり取りをする日々。

「今日も一日お仕事ふぁいとです!」

「ありがとう」

と毎日のように送るようになった。

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