キミの隣の龍主神
特撮まにあ
プロローグ 復讐と夜の雨
「はぁ……、はぁ……」
夜の森、雨の降る中に男が一人。
息を切らし、走り続けていた。その男が木陰を見つけ隠れるように座った。
「なんで俺様がこんな目に合わなきゃならんのだ!! この八津崎様がこんな辺鄙なとこで死ぬなんて何の悪い冗談だ!!」
「冗談デハナイ。貴様ハココデ死ヌ定メ。今更ドウ足掻コウガ、結果ハ変ワラヌ。タダ苦シム時間ガ長クナルダケダ」
男の目の前には、さっきまでいなかった死神姿の人物が立っていた。
「ふ、ふざけるな!!! 俺様を誰だと思っていやがる!!! あのドラゴンストライカーズの元一員にして……」
男が自分の身分を喚こうとした時、死神はそれを遮った。
「仲間ヲ殺シ、人ト龍ノ戦線ヲ開イタ戦犯ノ一人ダロウ?」
「!!」
男は驚愕の表情を浮かべた。自分と仲間以外知らないことを何故知っているのだと。
「な、何故それを……」
「ヨ~ク知ッテイルサ。『リターン4』ナドト持テ囃サレテイル貴様達ガ、ドレダケ愚カデ身勝手デ罪深イカヲナ」
「ち、チクショー!! 装備さえあれば……」
死神はその言葉に笑った。
「ヨク言ウ。戦ワナクナッテドレダケ経ツト思ッテイルノダ。今ノ貴様ハ装備ガアロウガ私ノ敵デハナイ」
「何?」
「ダガ、タダ殺スダケデハ私ノ気ガ晴レナイ。百ノ龍ニ弄バレナガラ死ネ」
そう死神が言うと、空を覆い尽くさんがばかりの龍の群れが一瞬で現れた。
「お、お前はいったい何者なんだ!! 竜を操れるなんてまるで……」
男はそこまで言うと何かに思い当たったようだ。
「まさか、お前はあの女の……」
「オ喋リハココマデダ。死ニ逝ク者ガ私ノ正体ヲ知ッタトコロデ意味ナドナイ」
「待ってくれ! 俺が悪かった!! だから……」
「……ヤレ」
男の悲鳴は龍たちの咆哮に掻き消され、断末魔さえ許されなかった。
「俺は
死神は寂しそうに呟き、夜の森を後にする。
キミの隣の龍主神 特撮まにあ @Ta-1300ma
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