4


 涙が零れる。

 1度目の後悔は消えない。あのときの、わたしがもっと注意して歩いてたら、なんてことは、嫌でも考えてしまう。でも、時間は曲げられない。

 2度目は時間を曲げてまで守ってくれた。後悔せずに『ありがとう』が言えた。そして、わたしは生きている。

 それだけで、十分なのかもしれない。



その後、植木鉢を落としたいじめっ子は退学になった。いじめのターゲットになった理由はわたしがゆうくんの彼氏だったことに嫉妬していたことだと聞かされた。

そんな理由だったので、わたしはまたクラスに馴染めるようになった。周りにはすごく謝られた。


今わたしが生きているのは、ゆうくんのお陰だ。

「……ありがとう」

またゆうくんの姿は見えなくなってしまったけど、彼はわたしを見てくれてるから。

それだけで、わたしは生きていける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

彼女の後悔が終わるまで 佐宮 綾 @ryo_samiya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ