異世界貴族のお茶会に供される固焼きせんべいのごときエッセイ。素晴らしい

 はっきりきっぱり、自分、というものを持っていらして、ゆるぎない印象のエッセイです。
 一本芯が通ってる、という感じが清々しいです。

 流行りの異世界貴族のお茶会に、ずらーっと並ぶ、ケーキ、クッキー、マカロン、チョコレート、ゼリー、などなど。
 もちろん、どれもおいしい。
 ただ、その中に一皿だけ、固焼きせんべいがあったら、おおおおおお、と、思わず手が出ませんか?

 流行に寄せる、というのも必要だけど、寄せ過ぎて流されて、自分を見失うのも困りますよね。
 そういうときにこういう、流されないエッセイ、を読ませていただくと、ハッと初心を思い出したりします。

 猫も杓子も、に、ちょっと倦(う)んできたとき、ぜひ立ち寄っていただきたい作品です。