第7話 初めての感触③
「それとも、もう飛ぶのは嫌になったか?」
大地は、首を横に振った。
「だったら……これからも、ヤマトに乗ってくれるな。」
大地は、驚いたように、振り向いた。
雷人はコクンと、うなづいた。
にっこり笑った大地は、雷人の手を握ると、コックピットから出た。
「頼むぞ、大地。」
「はい、キャプテン。」
大地と雷人は、互いの手を、ぎゅっと握った。
雷人と共にセンターへ戻ってきた大地。
センターの中では、キャプテンの雷人と一緒にいる大地に、視線が集まる。
「明里。この少年が、ヤマトのパイロットだ。」
雷人がそう言うと、ガヤガヤとうるさくなる中で、制服姿の女性が、大地へ近づいてきた。
「あなたが大地君ね。」
「はい。」
黒髪から覗く、水色のピアスが印象的だった。
「初めましてって言うのも、おかしいわね。」
そう言って笑った顔は、大地の姉を思い出させた。
「大地!」
後ろから、風真の声がした。
「風真!」
「やったな。」
「ああ。」
風真は、大地のパイロット姿を見た。
「けっこう似合ってるじゃん。」
「よせって。」
そんな会話をしていると、まだ15歳の少年のようだ。
「兄さん、彼らを使うのね。」
明里は、雷人に聞いた。
「そうだな。」
「私を、彼専任にしてくれる?」
「ああ……最初から、明里をヤマト専任にするつもりだったからな。」
「え?」
「これから大変になるぞ。明里。」
雷人はそう言い残すと、指令室へと戻って行った。
「そうなるわね。」
だけどなぜだろう。
大地なら、やってくれそうな気が、明里にはしていた。
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