小説投稿サイトのSFより早川書房読も!という方にこそ読んでほしいSF
- ★★★ Excellent!!!
皆さん、パラレルワールドという言葉を、聞いたことがありますか?
パラレルワールドとは、自分が別の人生を生きている平行世界のことです。
もしかしたら、自分が大富豪になっている平行世界もあるかもしれません。
ですが、この物語で主人公が出会うパラレルワールドは、先ほど言ったような極端なものではありません。
どちらの自分も、同じ大学に通っている。
でも、入ったサークルが違う。
友達との仲の良さの度合いが、少し違う。
その程度の違いです。
では、わずかな違いしかないパラレルワールドと、本物の自分が混線した事に気づいたら、あなたはどう生きますか?
どのように世界が混ざり合うかというと。
寝て起きるたびに、自分が生きる世界が入れ替わってしまう。
映画研究会に所属して活動した次の日に、あなたはオカルト研究会の部員だと言われる。
納得できないなりに考えてみると、昨日オカルト研究会に行った記憶もある。
そんな日々が、8月7日から始まります。
主人公は、この現象を解決するために、サークルの仲間の力を借りて調査に乗り出します。
大学生の夏の思い出としてこの物語が終わるのかな、と思っていました。
が。
主人公が巻き込まれたのは、世界を終わらせる可能性が高い現象で、主人公は世界を救うための戦いに巻き込まれていきます。
無理矢理ジャンル分けするなら、セカイ系が一番近いですが、きちんと作中の理論が世界を救うことにボーイミーツガールが必要であることを保証している骨太なSFです。
小説投稿サイトのSFなんてVRMMOしかないでしょ! 早川書房しか勝たん! と思っている方にこそ、読んでいただきたいです。