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作者 肥前ロンズ

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★★★ Excellent!!!

水の精霊と人間の男性との切ない恋物語です。

たくさんの重いテーマがギュッとつまった作品で、戦争の残酷さには悲しみと怒りを覚えずにはいられません。

ヒデキに出会ったミンが彼に合わせて変わっていく様子が何ともいじらしく可愛らしく、読みながら微笑んでおりました。愛する人との子供がいる母親であり、一人の恋する女であり、彼女は後者の比重がよりおおきいです。子供が大きくなっても、いつまでもそんな夫婦の関係には少々憧れますね。

異種間であろうが何であろうが愛の深さ、大きさは変わりません。

★★★ Excellent!!!

水の精霊が人間の良い所も悪い所も知り、愛を知り、人と結ばれる。
でも結局は戦争は悲劇しか生まない。
戦争は生きたとしても死ぬのと同じくらい心に傷を負います。だけど、それでも生きるのは……。
はぁ~号泣しましたなの。
少し長めな一話なのと重い展開なので読むのに躊躇してしまうかもしれませんが、素晴らしい物語なので読んでみてくださいな。

★★★ Excellent!!!

作者様のご紹介どおり、これは異種婚姻譚ではありますが、メインテーマは愛することと、生きること。人間の根幹をなす重いテーマが、人間の醜さが露骨に現れた戦争を舞台にして静かに描かれています。

人間の女性の体と知識を得た水の精霊が、人を避けて独りで生きていたところに、戦争に巻き込まれた外国人ヒデキと出会います。
名前のなかった彼女をミンと名付けた彼に、いつの間に魅かれていくミン。
ミンの正体を知りつつも、自然体で彼女を受け入れていくヒデキとミンは結ばれ、人間社会に混じって家族となります。

生まれた娘と共に、家族としてごく普通の生活を送っていた彼らですが、忘れてはいけないのが、戦争はまだ終わってはいなかったということ。
その残酷な事実が、彼ら家族に突然襲いかかります。

愛することを知らなかった、ただ生きたいという生存本能しかなかったミンが愛することを知る。
生きたいという生存本能があった故に戦争で重い十字架を背負うこととなったヒデキがミンに救われる。
生きようとする人々を救おうとしていたヒデキ。
愛する人と死ぬまで添い遂げることを望んだミン。
彼らの生と愛の行方をぜひ見届けてください。
重く苦しい運命の彼らにも一筋の光が差していたことに、きっと救われる思いがすることでしょう。

★★★ Excellent!!!

 物語は、人間の体に宿った精霊と戦地で出会った男との恋愛物語です。

 が、ただの恋愛物語ではありません。ベースとなる世界は戦場であり、その描写がエッジの効いたタッチで描かれていますので、息を飲んで読む感覚に包まれます。

 この物語の本質は、ジャングルを横断する大河のような壮大な話だけではなく、むしろその水面下を流れる濁流のような心理描写にあるかもしれません。

 戦地がベースであるため、生々しい描写もありますが、だからこそ、過酷な環境で出会った二人が惹かれ合う姿は、生を求めるように強く惹かれてしまうのではないでしょうか。

 一話としては長い文字数ですが、途切れることなく叩きつけられた作者さまの想い、ぜひみなさまもご一読されることをオススメします!!

★★★ Excellent!!!

人間と精霊の異類婚姻譚ですが、主人公二人に待ち受ける困難は種族の違いではなく、戦争でした。
過酷な状況でもたくましく生き、互いを想うようになっていく二人。しかし運命は容赦なく二人に牙を向きます。

戦争の描写などは現実にも当てはまる部分も多く、読んでいて辛くなる場面もありました。ですが読後感は非常に良く、最後まで読んだ時改めてタイトルの意味の大きさを感じました。

★★★ Excellent!!!

水の精霊が肉体を得て、男性と結ばれる『異類婚姻譚』です。

水の精霊であるミンと、医者であるヒデキは出会い、一緒に過ごすうちに恋に落ち、そして二人は暮らして、子をもうけ……。
家族として過ごすのですが。

ただね。
場所が……。
場所が絶望的に悪すぎる。

ミンとヒデキが出あった場所は、『戦地』。
二人に付きまとうのは、硝煙と地雷原と銃弾。

ミンが選び、そしてヒデキが「うれしいな」と言ったその選択。
途中から、「……まさかな。これ、大丈夫だよな」と思いながら読み進めました。

ミンの選んだ道に、幸多からんことを。