というか、この作者さんの書く『おばさん(あるいはマダム)』がそもそも最高すぎるんですよ。おばさん特有の図太さというか、経験豊富さというか。どっしり構えてる感が半端ない。
女の人って案外肝がすわってるとか度胸があるとか言いますけど、妊娠出産を経ると、何かもういよいよ怖いものがなくなるっていうか、多少のことは「あーはいはい」になるんですよね。おっかしいなぁ、私まだそこに至ってないぞ。
さて、本作の主人公である高梨美香さんなんですけど、御年38歳です。まぁ良い感じのおばさんです。いやいやおばさんと呼ぶにはまだまだ若い方だとは思いますけど、一応、一応ね、おばさんです。そんな美香さん、パート先の倉庫から異世界に行っちゃうんですよ。
そりゃあもうさらっと行っちゃいます、異世界。
異世界ったらあれですよ。魔物とかうようよしてて、剣と魔法でドンパチやるところですよ。なのに美香さんの武器って殺虫剤とレーキですから。殺虫剤、驚きの活躍をしますから。知らなかった、殺虫剤で無双って出来るのね!こりゃあスポンサーはキ○チョーか?ア○ス製薬か?!
そんなわけで、一風変わった異世界ファンタジーを読みたい方はぜひこちらを。いや、これ異世界ファンタジーなのかな?ちょいちょいこっち戻って来るから……現代ファンタジーか。うん、そうかそうか。
スーパーマーケットにパートタイマーで勤務する、38歳二児の母。
どこにでもいそうな主婦の美香さんですが、彼女にはとある秘密があります。
スーパーでのパート勤務の傍ら、異世界でもパートタイムで冒険者をやっているのです(笑)
とは言っても、彼女の武器は聖剣でも魔法でもありません。スーパーの備品のレーキと店長から渡された殺虫剤。
スーパーの倉庫の扉が実は異世界とつながっており、ゴキやネズミ退治のつもりが実は魔物を退治していたことで、美香さんは異世界人からダンジョンのオーガとして恐れられてしまいます。
そこから始まる主婦(パート・38)の異世界冒険譚。
ギルドからの討伐依頼を仲間と共に次々とこなしていくのが痛快である一方、小柄で可愛らしい異世界人との交流や異世界での生活体験はほっこりとした癒しを与えてくれます。
異世界転生みたいながっつり異世界は無理だけど、パートタイマーとしてなら行ってみたい!
そんな風に思えてくる、楽しい異世界体験が待っていますよ♪
普通の主婦である美香が、ヒマワリマートの倉庫で働くところから物語は始まります。彼女はそれと気付かぬうちに魔物と対峙して……
やがて異世界へ行き、冒険者になるのですが、普通の主婦あなどれません。動じない、つよい! 発想がおかしい!
美香の冒険者としての武器がまた面白いのです。
とにかく笑えて、ほのぼのできます。
時々、美香にツッコミを入れている自分がいる。読んでいて出てくる独り言は「主婦すごい」。
美香の夫もまた良い味出してるのです。ラスト近くは、パパさん応援してました。
それが、もう終わっちゃった……。
もうね、忙しくてもこれだけはと読んでいたお話が、終わっちゃうのかと思うと本当に寂しいです。
どうか続編、せめて番外編、と思います。
最後に。
笑いありのほのぼの主婦冒険物語、とても面白かったです。長編お疲れ様でした。ありがとうございます!!
高梨美香もうすぐ三十九歳は、二人の男児の母。少々のことでは動じません。地元の地域密着型スーパー「ひまわりマート」で働く彼女は、第四倉庫の鍵を手渡され、こう忠告されました。「黒い悪魔が出るから、気をつけてね」……実際に出てきたのは、悪魔ではなく?
以前、日帰りダンジョンの短編を拝読しました。連載版では、さらに美香さんと異世界がパワーアップして、面白いです。
異世界訪問の先輩がいた? 異民族(?)との異文化交流あり、ギルドに登録してお給料をもらって、パーティを結成して……ついに旦那さんも参戦ですか?
随所にみられる美香さんの主婦目線が楽しいです。これを読めば異世界が身近になる、かもしれません。
多少の異世界だろうが魔物だろうが、一々動揺していては主婦は務まりません。
日々追われる家事にパート、それに比べたら異世界なんて軽い軽い……
不思議な倉庫から始まるこの物語。
何が起こっているのか、どこへ通じているのか。
一体どうなってるの?と、どんどんページを繰ってしまうでしょう。
最初の数話で引きこまれた方は、そのまま一気に最後までどうぞ。
もっとネタバレを、という方だけ、さらに下へ↓
38歳の主婦は、まだまだ若くて、冒険の主役も張ってしまいます。
足下へ這い寄る魔物を殲滅し、弱き者を助け、そして小さな仲間にちょっと癒やされる。
王道の日帰り冒険譚を彩るのは、もふもふ、ほんわか、そしてのんびり。
武器はレーキに殺虫剤、仲間には可愛いアレを着せて、平和のために大活躍!
オバチャン、と言ってしまうには随分と可愛らしいこの主人公、癒されるのは読んだあなたかも。
読みやすい文体で、軽妙に語られる優しいファンタジーです。
微笑ましいとは、まさにこの話のこと!
異世界はどこにでもあるんです。
気付かないだけで、条件さえ満たせば貴方も行けるかもしれない。
そんな気分にさせてくれる物語。
バトルシーンもありますが、
どこかほんわかした空気が流れていて楽しみながら読み続けられます。
主人公は肝っ玉母さん。
武器は熊手と殺虫剤。
とても異世界で活躍できるとは思えない彼女が、活躍しちゃいます。
出て来る異世界人もどこかコミカルでチャーミング。
やっている事は真剣で問題は深刻なのに、
ふわっとあたたかい印象を受けるのは彼らが可愛くて愛しく思えてしまうから。
更新されているのを見るとニヤリとしてしまい、こちらまで楽しくなります。
不思議な魅力で満ち溢れたこの物語を、みなさまも読んでみて下さい。