書きたいことはたくさんある。ただ、ありすぎて纏まらない。「ひとこと」に付けたようにどこで抱腹絶倒するとか、何の話で涙腺が崩壊したとか、詳しく書いてもいいのだが、それはぜひ読者に自分で確かめてほしい。
物語は、三十路手前の喧嘩上等男勝りの男日照りお姉さん・エイル(あ、これは殴られてしまう!)と、弱冠二十歳の見た目美男子仕事は真面目、でも姉の前では悪戯モンキーの弟・アインスを中心に進んでいく。
この二人がまぁ、見事に仲が良いんだか悪いんだか!喧嘩しまくり言い合いまくり。エイルはアインスのことを猿って言うし、アインスはアインスでエイルの男日照りを揶揄ってみたり。でも、お互いがいないと何かが足りない気持ちになる。血の繋がりがない姉弟ではあるが、欠けてはならない、太い絆で繋がれている二人なのだ。
そんな姉弟としての距離、心の距離や現実の距離、そして“恋愛小説”としての想いの距離……二人の距離感にドキドキハラハラ。最初は恋愛小説か?と思っていたが、ちゃんと恋愛要素あり、人間ドラマありの素敵な物語だ。
そしてこの物語性を更に際立たせているのが、激しい姉弟喧嘩シーンの描写、口喧嘩や会話のテンポの良さなど、読んでいて楽しい表現の仕方だ。
特に姉弟喧嘩は、本当にこんな姉弟いるのかよ!ってくらい激しくて、面白い。読んで見たらわかる。
おいおいおいおい…って呆れつつも、ページを繰る手が止まらなくなる筈だから。
さぁ、ここまで長ったらしいレビュー本文を読んだ貴方。読み終えたら早速、1話目にいってみよう。
笑えて泣ける素敵な姉弟が、きっと貴方を待っている。
前々からあらすじを読んで気になってはいたのですが、一度読み始めたらぐいぐいと引き込まれて止まらなくなりました。
アラサー干物女エイルちゃんと、二十歳近くのやんちゃな弟アインスくん。
唐突にアインスが独り暮らしのエイルのもとに押しかけてきたことにより始まったこの同居生活。しかし、甘々な展開……にはならず、目を剥くような怒涛の罵詈雑言が飛び交うのがデフォルト。この掛け合いがたまらなく病みつきになります。センスの塊です。言葉で罵り合うだけではおさまらず、ジャンルが恋愛とは思えない程のマジな格闘技でぶつかり合っていくのがこの姉弟。凄い。凄すぎます。
『喧嘩するほど仲が良い』
という言葉がありますが、この二人は正しくそれを体現しているように思います。なんだかんだとお互いのことを深くおもいあっている瞬間が垣間見える瞬間はたまらなく胸キュンします。普段口汚く罵り合っている分、不意に訪れる甘い展開がものすごく輝いています。
作者様の言葉選びのセンスが迸る、疾走感のあるラブコメ。
世界観、二人の哀しい過去等も垣間見えてきて、どんどん取り込まれていく素敵な作品です。あなたも病みつきになりませんか?
読み終えた今、これだけは言わせてください!!!!!!!!
二人が尊すぎて、頬の緩みがとまらないです!!!!!!:(;゙゚''ω゚''):笑
いやもうホントどう褒めていいのか分かんないくらいスゴイです。手抜きレビューとかそういうレベルじゃなくて、もうなんていうかスゴイという以外の語彙が無くなるレベルでスゴイ!(笑
三十歳間近の姉エイルと二十歳間近の弟アインスという血の繋がっていない姉弟、年齢設定にこそ物珍しさはあるけれども普通のラブコメで通ってしまいそうな関係……と思いきや、そこらに存在するケンカップルのレベルではない色気ゼロのプロレス技や流血ゲンカ日常的に繰り返し行われ、地の文でも延々と弟の悪口を言い続ける様は「えっ、何コレ大丈夫かよ」って素で零してしまいました。
けれども合間合間で匂わせる姉弟の絶対的な信頼と依存、そしてそのドタバタが繰り広げられた後には「またあの祭りで大騒ぎしたい……」って切ない気持ちに引き摺られ、ページを捲る手が止まらなくなり彼らのやり取りがドンドン癖になってきます。もうこれは0距離キングダム中毒としか言いようがありません。
またエイルの毒舌のバリエーションがまた見事だし、異世界感がないと作者様が言われる割にはかなり地盤のしっかりした設定が組まれているし、過去話も盤石で、泣き所でしっかり泣かせてくれる隙が無さすぎる物語です。
長々と書かせて頂きましたが、ここに存在するのは最高のエンタテイメントです、少なくともこの物語に出会えただけでカクヨムに来た価値がありました。
作者様に最高の感謝を捧げます。
20話目まで読んでのレビューとなります。
サイレント映画の時代に流行した『スラップスティック・コメディ』は、ドタバタとした喜劇であり、チャップリンの映画を観れば一目瞭然の内容と面白さである。
しかし映画はトーキーに移行していき、ストーリーに重きを置く様になると『スラップスティック・コメディ』は廃れていった……
時代は変わり21世紀の今「0距離キングダム」というこの作品は、新しい『スラップスティック・コメディ』の形を提唱している様に思う。
それも、小説という形で。
サイレントでドタバタやっていて内容が薄かった本来のそれとは違い、小説なので映像が無い分ドタバタも文章で表す事になる。すると必然的に、ドタバタの中にストーリーを組み込む事が出来るようになり『スラップスティック・コメディ』でありながら、ストーリーも作り込めるという、巧みな構造を成している。
ネットスラングなどがいくつか出てくるので、紙媒体であるといちいち説明が必要になる部分もあるのかもしれないが、ここはweb小説発表の場である。
そのような問題は難なくクリアされているので「0距離キングダム」は向かう所敵無しで、どんどん好き放題ドタバタやっていってほしい。
今世間に求められているのは、こういった独自の作品では無いかと思う。
固い文章で書いたが、最後は簡単に言おう。
エイルとアインス、いいぞもっとやれ!
全編を通じて続けられる「姉弟げんか」、とにかく凄い勢いでケンカしていますこのふたり(笑)
30数万文字のなかで半分くらいケンカしてるんじゃないかと思いますが、これがなかなか楽しいですw 何と言ってもケンカに至る原因が下らないと言いますか、お互いの意地の張り合いと言いますか、とにかくまた来た!という感じでケンカにつながっています。
かと言ってお互いが憎たらしいのかというと、そうでもないところに感情が揺さぶられていく訳です。そしていつの間にかお互いが理解しあって最終局面を迎えるのですが、そこにたどり着くまでに古傷をえぐるようなシリアスシーンに涙が出てきます。
最初はお気楽な姉と弟、そして周囲を彩るキャラたちも楽しい人達ばかりだと思って読んでいたのですが、まさかのストーリーのどん底に落とし込められてヤラレタ感満載になりました。
ハートフルでシアリス、そしてこんなエロシーン読んだことないという世界へ読者を誘う作品、皆様も「姉弟げんか」の世界を楽しんで下さい。
小説の長所とは何ぞや? と問われれば、掛け合い! 口論! 口喧嘩! と即答するんだが、その長所が! 開店直後の焼肉屋の様に満開に咲き誇っているのがこの作品だあ! 最初の数話を見れば分かるが、エイルとアインスの掛け合い、始めっからロケットエンジンの如くフルバーストしてるし、こんなやり取りがかなりの割合で続く! くそう、憧れるぅぜ! それにいちいちエイルの言い回しにセンスあるのが、また凄い! こいつは悪口を思い浮かぶプロなんじゃないか? そう思えるくらい脱帽ものなんだ!
失礼しました。
掛け合いは言わば主役(個人の感想です)。ならば脇役はどうなのか、と問われればそれもまた魅力的です。エイルやアインスの決して明るいとは言えない過去、しっかりと組まれた設定とそれを活かした描写(SF的な戦闘やグラズヘイムの部分など)、現れる一癖ありそうな恋愛候補相手。エイルとアインスのやり取りがとても楽しいがゆえにより、暗い部分や綿密に練られた部分も際立つ。とてもエンターテインメントに溢れた作品です。まだ読んでない人、是非とも読んでみてください。
みんなーっ! ツンデレは好きかー!
ケンカップルは好きかー!
何を隠そう私は好きさ……大好きさ……っ!!
男っ気ゼロのアラサー女子・エイルのところに、血の繋がりのない弟分の美形エルフ・アインスが転がり込んでくることから始まる、ドタバタ——を通り越してハチャメチャ過ぎる同居生活。
この二人、ほんの些細なことで何かにつけて悉く、もはや芸術レベルにドチャクソ激しい姉弟ケンカをおっ始めるのです。
と、一見、壊滅的に仲が悪く見える二人ですが、本当はその反対。
いつもアインスのことを気に掛けているエイル。
エイルの気を引きたくて仕方がないアインス。
互いに幼稚、互いにツンデレ。そんな似た者同士の二人。
それゆえに反発している時と共鳴している時のギャップが激し過ぎることも、この作品の重要な尊みポイントです。
テンポよく進む会話と暴力の応酬に、絶妙に差し挟まれる世界観描写やエイルの重い過去。
笑いあり涙あり、適度にときめきもあり、飽きの来ない展開。
二人以外からの矢印がちらほらと見え隠れし始め、更なる混迷が予想される本作、今後も要注目です!