第9話裏の世界

 私には、霊感がある、と言っていた友人が何人かいます。

 そのうちのふたりはお互い同士が友人なのですが、それを除いては互いに面識もない人たちです。

 この話は、そんな面識のない、かつ霊感のある人ふたりから聞いた話なのですが……。


 この世界には、「裏」があるんだ。

 まあ、裏っていうか、とても似ているけどこの世界じゃあない。

 並行世界? それとも違う気がするな。

 人は、ふとしたきっかけでそこに迷いこんでしまうんだ。

 迷いこむと、出る事はできなくなる。

 そこは、全く同じ町に見えるけど、迷い込んだ人々以外に生きているものはなくて、当然、食べ物も水もない。

 だから、だんだんと衰弱して死んでしまう。

 空は、赤いらしいね。


 ふたりとも多分それを「視た」ようなのです。

 それ以上詳しい事はわかりませんでした。

 さて……。

 この話を耳にしたのはほんとに昔の事なのですが、その後、菊地秀行氏が、かの『魔界都市新宿』シリーズでしたか、まさにそういう世界を描写していてびっくりしました!

 え。

 待て。

 これは知っているぞ……?


 本当に友人たちがそういうものを「視た」のか。

 それともオカルト雑誌かなにかに、そんなエピソードが載っていたのか。

 元ネタをご存じの方はいらっしゃいますか。

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私のまわりの怪異(実話怪談) 朝日奈徹 @tora2m

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