暑い日差し、無人の街。熱で歪んだような非日常をどうぞ

ジャンルはホラーですが、おどろおどろしい流血などは無く、雰囲気で魅せる短編です。

熱で現実が溶けたのか――そんな非日常の世界へ、引き込まれました。
みなさんも、夏の街を独り歩いていると、主人公が体験する「無人」を感じたりしないでしょうか。
ファンタジー、あるいはホラーの世界でありながら、どこか共感を覚える風景でした。

悪夢だろうけども、主人公には日常の延長に過ぎない。
その諦めたような語り口が、静かな緊張感を生んでいます。
最後にキリッと締める3000字弱。

すっと読めますので、みなさんも是非ご一読を。