第3話 南城レイナ先生
『801号室』の
に戻るように、隣の『802号室』
俺は、だいぶ落ち着きを取り戻していたが未だに半信半疑の状態。
「うちの先生方の作品は 全て自分達の周りに起こった事 起こっている事を
物語にしているのです 池田君…… 驚くのは無理もありません 私も初めは
そうでした ……あまり深く考えてしまうと体に障りますから」
友部さんは、そう言って部屋へ上がっていった。
俺も後ろから着いて行く。
部屋の中は、先程の東野先生とは違い生活感があり、ベッドや家具、テーブルに
机、ソファーまである。もちろん電化製品やテレビ、パソコンまである。
ゴォォオオオ ガチャ
「うん? どちら様ですか?」
「とっ! 友部さん! こっちです」
俺は慌てて友部さんを呼んだ。
「あ 先生トイレでしたか 池田君 こちらが南城レイナ先生です 先生
先生の担当になる池田君です」
「はじめまして! 池田大樹です 宜しくお願いします!」
「あ 友部さんが言ってた はじめましてレイナです よろしく」
銀髪ショートヘア、淡い緑色をした瞳で眼鏡をかけた、可愛い女の子だった。
ストレートのジーンズにトレーナーを着ている、良く見るとネックレスや時計も
していた。至って普通に感じたが表情が少しだけ読み取りづらい……と、いうより
喜怒哀楽が少ない印象を受けた。
まあ、初対面だし何回か会っていればわかるだろう、それよりレイナ先生も
エルフなのかな?そこが凄く気になる。
……俺は食い入るように耳を見てみた。
「うん?」
しまった! 気付かれたかな
「池田君 耳が気になる? 私はハーフエルフ 少し尖っている程度」
そう言って先生は髪をかきあげ耳を見せた。確かに少し尖っているが、気にして
見なければ気にならない程度だ。
「な なるほど 僕は気になりませんよ ところで先生はこの部屋で生活を
されてるんですか?」
「うん?」
「あ いえ 先程うかがった マリア先生のところはドアを開けると木上に
ご自宅があったので てっきり同じような作りになっているのかなと」
「見てみる?」
「いいんですか!? 是非!」
俺は、レイナ先生の後からついて行きドアが開くのを待った。
ギィギギギ
立て付けが悪いのかドアがスムーズに開かない、開いた隙間からは石の破片等が
散乱してる……ドアが全て開かれた。元は住居だろうか石で仕切られた部屋が
いくつかある。
「こ ここは?」
「うん 私が暮らしていた部屋 ダークエルフの集団に襲われて家ごと
壊されたの 危険だからって亜紀がこっちで暮らせって」
「あ ……ああ 早く閉めましょう!」
「うん? もういいの?」
「はい! もう結構です! ありがとうございました!」
ガチャン
レイナ先生はドアを閉め鍵をかけた。
「先生 今日は顔見せだけですので そろそろ私達は帰ります 次回からは
池田君一人で伺いますので 宜しくお願いします」
「うん」
「でわ失礼します」
「お疲れ様です!」
俺と友部さんは『802号室』を後にした。表に出ると友部さんが言った。
「レイナ先生は 以前はとても明るかったそうです 襲撃されてからあんな風に
なってしまったと聞いています ……可愛そうです 一日も早く明るかった先生に
戻って欲しいですね」
友部さんは、そう言うとエレベーターに乗り込み1階のボタンを押した。
担当作家は異世界人 岩野元禄 @Iwanogenroku
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