前作の子世代が織りなす、新たなルクトニアの物語!
前回のような、国を揺るがすほどのことはなく、平和です。
とはいえ、サスペンスはどこにでも起きるものです。
金髪碧眼の娘が殺害される事件を追う、アルとオリビア。
前作のユリウスと違い、息子であるアルは自発的に女装をしています。ウィリアムの娘であるオリビアは、前作のアレクシアのように振り回されていますが……。
読み進めていくうちに、アルの方が振り回されている気もします。
カッコつけたいけどウブなアルと、真面目で考えると一直線なシャーロット嬢の性質を受け継いだオリビアの、周りを巻き込んだ幼馴染ラブストーリー。
前作を読まれた方は、今作でもページをめくるたびに「きゃー!!」と叫ばれるでしょう。そして、最後に「三部読みてぇ!」と思うことでしょう!
※なお、この物語の真のラスボス(事件の方じゃないよ)は、前作でも活躍した保育士・ウィリアムです。
男装女子と女装男子がお送りする、ちょっと胸キュンで時に驚くファンタジーサスペンスです。
まず文章がシンプルでありながら、描写は丁寧で無駄が無く、時より織り込まれるユーモアが読みたい感を加速させます。
読み進めていくと、恋愛的な盛り上がりとサスペンスのゾクッとする盛り上がりが交互にやってきて、読んでいて飽きることがありません。
更新速度も頻繁で、せっかく先が気になっていたのに何日も待ち惚けを食らうなんて事が無いのも個人的にはポイントが高いです。
この作者さんの作品はいくつか拝見していますが、どれも一定のクオリティを保っていて面白く、是非同作者の他作品にも手を伸ばすことをオススメします。個人的なオススメは「ラピスラズリ」と「金の瞳の彼女に、恋をした」です。