英雄代理の小市民

作者 及川シノン

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★★★ Excellent!!!

 平凡な日常を満喫するはずだった主人公は、ある日、心霊スポットに赴き、置き去りにされてしまう。何と、本物の幽霊が出たのだ。ここまではまるでホラーのような雰囲気だ。しかしその幽霊こそ異世界の英雄の成れの果てだった。主人公は死にかけの英雄の代行として、「英雄の姿で」異世界に赴く。そこはまさに戦場だった。
 平凡な生活を送るはずだった主人公は、そこでの人々の暮らしに触れ、「英雄」に励まされ、美女と出会い、生活がいつの間にか色づいて来ることを目の当たりにする。そして、敵とのバトルがついに始まる!
 主人公は本当は英雄に憧れていた。でも、逃げていた。「英雄」は主人公に救われた。二人は信頼し合える友となり、相棒となり、お互いの守るべきモノのために力を振るう。
 しかし最後は読者にプレゼントが用意されている、素敵な作品です。
 是非、ご一読ください。

★★★ Excellent!!!

現代人が全く生態系の違う異世界へ行ったら、風土の違いに対応できず速攻で死ぬんじゃないか? という批判が世の中にはあります。

それを解決する手段として「現地人に憑依する」パターンがあります。それが、勇名を馳せた大英雄だとしたら……!?

冴えない少年が一躍、英雄の肉体に乗り移って大活躍! それもまた王道。そばに英雄の魂も付き添い、アドバイスに従って肉体を動かすやりとりが楽しいです。

一味違うのは「少年が気弱なまま」ということ。

これ重要です。
超重要です。

最強の力を得ても、彼は天狗にならない。慢心もしません。

初戦こそ勝利したものの、少年は有り余る力に戸惑い、人々からの期待にプレッシャーを感じ、迫り来る刺客に尻込みします。英雄にあるまじき醜態をさらします。

人間臭さがあるんです。
人は急に変われません。
強くなったからって突然ゲーム感覚で戦闘できるわけがないんです。

不相応な「英雄」を演じなければいけない建前と、早く現実世界に帰りたい本音。

このジレンマこそが、読者を感情移入させるトリガーです。悩まない奴に主人公の資格はありません。
「人間の葛藤を描いてこそ小説である」という原点を思い出させてくれます。

借り物の肉体を返却するその日まで、少年の成長を見守りたいと思わせる内面描写。

『英雄代理の小市民』
題名も素晴らしい。小市民なんてショボい単語を採用するのは珍しいな……と思ってページを開いたのは、どうやら正解だったようです。
魔法科高校の『劣等生』や『冴えない』彼女の育て方など、あえてネガティブな言葉で目を惹く手法ですね。

★★★ Excellent!!!

これは、英雄の代理を務めあげる青年の物語だ。
異世界に転移とも、転生ともつかない形で向かうことになった青年は、英雄に請われる形で、否応なしに代理をやることになる。

初めは戸惑い、そして臆する青年は、しかし英雄の力に触れ、おのれの夢を思い出していく。

どうか第一章までは読んでほしい!
しり上がりに盛り上がり、面白さを増していく物語を、是非その眼でご覧あれ!

★★★ Excellent!!!

 立国の英雄である騎士王との精神の成り代わり――――もうそれだけでロマンがある!

 唐突に大役を担わされた主人公の譲治くんは、英雄ジョージ(ブローチ)の言動をそのままなぞりつつ、時には自分の意志と言葉を顕しながらなんとか『英雄代理』を務めていきます。その様は、少し滑稽だけれどどこかカッコよくて。

 なにかの理由があって静かな日常に固執する譲治くんの心は、それでもジョージの強烈なヒーロー性に惹かれていき、確実に変わっていっています。

 その結果、彼はどう成長するのか。当方はそれが楽しみでなりません。
 大英雄にその思想を染められてしまうだけなのか。
 あるいは、自分だけのなにかをつかみ取り、彼自身が『英雄』になるのか。
 それとも――――
 
 なににせよ、今後に期待できる作品であることには違いありません。要チェック! です!
 

★★★ Excellent!!!

ひょんなことから英雄の体を借りて英雄の代理をすることになってしまった現代人。
だが、異世界で戦いを潜り抜ける中で主人公の中にも英雄の素質が芽生え始めてきているようです。

果たして英雄に求められる要素とは。
民に愛される君主とは。
まずはこのお話を紐解いてもらいたい。君が求め、描いた英雄がきっとそこにいる事でしょう。