エピローグ
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ゲームタイトル『レイクサイド・キャッスル』
ノーマルクリア条件:勇者として魔王を討ち倒せ! →CREAR!!
パーフェクトクリア条件:ノーマルクリア後にゲートを壊せ! →CREAR!!
【MEMO】
パーフェクトクリア後、ゲーム世界が崩壊するという演出ののち、ゲーム『エンドロールの救世主』が起動します
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ゲームタイトル『エンドロールの救世主』
クリア条件:勇者セイバーとして魔王
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おめでとうございます。
以上でゲームクリアとなります。お疲れ様でした。
今回はゲーム世界の崩壊を演出してみたりなど少し趣向を凝らしてみましたが、いかがでしたでしょうか。
驚きました? すみません。怒らないでください。
今回のことはすべて想定内ですよ。想定内ですからね。
だから安心してこれからも『救世ゲーム』をプレイしてください。
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気がつくと、俺はベンチで寝ていた。
界門市の
「…………」
目の前で手を握って確認して、実感した。
——帰って来た。帰って来たんだ!
ということは、ゲームはクリアしたということだ。俺はライラを倒したんだ。
愛した人を、殺したのだ。たとえそれがゲーム内の仮初めの愛だったとしても……。
『ゲート』を見ると、何やらちょっとした人だかりができていた。
青年から壮年と呼べそうな男性の十数人の集団が、口々に何かを言っている。
「本当なんだ、ゲームの世界が崩れて、飲み込まれたと思ったら元の世界に戻ってた」
「あれは絶対故障ですよ! ありえない!」
「怖かった……死ぬかと……!」
おそらく他のゲームをプレイしていた人たちだろう。
ゲーム世界の崩壊に巻き込まれた被害者だ。
『救世ゲーム』の管理者(?)は、今回の件を『趣向を凝らした』『想定内』のゲームだと言っていたが……どうだろう?
そうであってもおかしくないとも思えるし、そんなわけないとも思える。
『救世ゲーム』は未知数なのだ。わかっていることはほとんど何もない。
なぜ異世界に転移できるのか?
なぜ制限時間が12時間なのか?
などなど——何もわかっていないのだ。
俺は騒ぐ集団の横を通り過ぎ、重い足を引きずって山を降り、帰宅した。
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今回の騒動により『ゲート』は封鎖され、『救世ゲーム』は無期限休止となった。
このニュースを見たとき、寂しさと同時に納得もした。
でも、またいつか『救世ゲーム』を楽しめる日がやってきたらいいなと思う。
「……世界の崩壊に立ち会うのは御免だが」
俺は——『エンドロールの救世主』は——ひとりごちた。
エンドロールの救世主 吉永動機 @447ga
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