死を望み、光をなくした少年の、その後、そこから。

(*このレビューは憶測を多分に含みます)


ファンタジーな世界観で、強烈なおとぎ話がじわりじわりと紡がれていきます。

「未知の世界に放り込まれた」「視界のない主人公」の、感覚と伝聞・推測のみによる語り。
その意味では、次に何が起こるのか、まったく予想がつきません。
加えて主人公は「『特別』に嫉妬を覚える」「死にたがり」です。

『特別』だらけの世界の中で、主人公は何を信じ、何に価値を見出していくのか。

衝撃の冒頭から始まり、いい意味で気味の悪さが持続します。
この世界観がいいですね。ファンタジーの醍醐味を感じます。

その他のおすすめレビュー

矢口馬太さんの他のおすすめレビュー37