とあるVRMMOでリアルタイムアタックをする女性プレーヤーのはなs――
ゲームの住人? のドラゴン目線でそれが描か――
えっちょ、何でこのレビューもキャンセルさr――
女性は周回プレイをしているので、ゲーム内のセリフは知ってるけど、このレビューは知らないで――
知らないからスキップしちゃ――
あぁ――
このレビューだけ見た人混乱するじゃ――
もう。アアア! って――
ドラゴンも『アアア』って名付けられて――
入力時間さえ、惜しむその姿勢が――
タイムアタックだから装備も能力値振り分けも脳筋――
VRMMOだから、キャラの容姿って結構気にしちゃうもんなのに――
私個人、ゲームする時、防具揃えるのが面倒で――
大抵、武器特化の脳筋仕様になるけど、それとはちが――
ハイテンポで、加速度的に笑う回数が増え――
ぜひ、ご一読を――
もうね、ずっと笑いっぱなしでした。
何より最速タイムアタッククリア目標なので、物語のスピード感が凄い!
バディモンスターの名前はアアア。
ちゃんと喋らせてももらえないのよこの子。いい子なんです。頑張ってるんです。主人想いなんですよ。
なのにね、脳筋アマゾネス女のヒロインは、もういろいろ人間としてアカンの。自分のことさえ犠牲にして、最速クリアにかけるゲーマー魂に感動……する間もなく爆笑しました。
そして、最後のエピローグにどんでん返しが……!
あ、やっぱり?
負けるなアアア。頑張れアアア。
素敵な笑いをありがとう、アアア!
……強く、生きろよ。
この作品はゲーマーに刺さる。笑いをもっていく。何せいきなりの「リセマラ」からスタートであるし。
肝心の部分でドラゴンの成長にランダム性がかまされていたりと、このゲームの開発者は多分かなりのサド野郎にちがいないのだが、そのシステムの中をプレイヤーのミズキとNPCのアアアが走る走る突っ走る。
作品の何よりの魅力はこの二人の距離感、関係性。ひたすら効率と(裏腹の)特化プレイを追求し、アアアのセリフも、ラスボスの口上もキャンセルキャンセルまたキャンセル。余韻も情緒もあったもんじゃない。オチも最高にひどい(誉め言葉)MMOあるあるで、ゲーム好きには楽しくてしょうがない。
なのに。なのに。
アアアの勘違いからゲーマーとして恥ずべきアレを進言したときの、ミズキの態度が何と厳しく優しくてすがすがしいことか!
自分の思惑を根底から粉砕するある事件が起きても、彼女は決して折れず、パートナーを放り出したりもしない。彼女は芯のあるポリシーを貫く、このうえもなく誇り高いゲーマーなのだ。
ゲーム好き、それも尖った方向性の攻略を楽しむ向きには取り返しがつかないほどに深々と刺さる一篇である。
そして、その上でなおこの作品は(密かに、ものすごく密かに)きちんと正統派のファンタジーとしての含みを残しているのだ。
だって、VRMMOのNPCであるはずのドラゴン「アアア」がこんなにも感情豊かにミズキに驚き、あきれ、慕い、翻弄される姿を描いてみせるのだから。
ゲームを極めすぎて間違った楽しみ方をしている廃人プレイヤーと、その相棒になってしまったドラゴンの珍道中。
最初にリセマラ、重要キャラに酷いネーミング、防具を買わずに武器だけ最強にする、育成のためにモンスターの卵を大量生産、謎の行動で乱数調整、シュールなバグ技を悪用など。ゲーマーなら一度はやったことのあるネタや、RTA・TASにありそうなトンデモプレイネタが、ギッシリ詰まっている濃い作品でした。
主人公が、ゲームを極めることへの愛だけでなく、ゲームキャラへの愛にも、目覚める日はくるのだろうか。なんにせよ、ドラゴン「アアア」の大冒険(受難)は続く。