ぶーねこと少し不思議な昔話

作者 アイオイ アクト

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★★★ Excellent!!!

とても不思議な猫の物語です。
読み終わると、きっと最初から読み返したくなります。

最後にすべてが繋がるとき、あたたかい幸福感に包まれます。

ぶーねこさんは今日もどこかで、誰かを猫に変えているかもしれません。

★★★ Excellent!!!

少し壊れてしまった世界を治す物語。
ほっこりとしんみりと続く世界です。

ぶーねこさんに連れられて、別の世界(昔)に戻った主人公。
猫の姿に変えられ、少女と一緒に過ごす一日。
彼女に寄り添う主人公(猫の姿)。

優しくて、ちょっと不思議な話です。
素敵なものをありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

物語の力をバシバシ感じました。

ぶーねこさんのおかげで、現在の主人公の手元には小さな宝石が輝いてる。だけどその代償として別の何かが失われてしまった。その何かは、自力で取り戻していかなければならない。

壊れる前に、失う前に、私たちも大切なものに気づきたい。
そんな風に感じました。

★★★ Excellent!!!

 社会に出て何年か経つと、厳しい現実に打ちのめされ「すべてに行き詰まった感」を抱えてしまうことがあります。私もそういう経験があります。そして、この物語の主人公もその一人。不運な境遇に意気消沈する彼は、妙な声が聞こえてきても、驚くどころか、「自分が壊れてしまった」と嘆くほど。

 しかし、声の主である通称「ぶーねこ」は、「壊れているのはこの世界」という意味深な言葉を発して、主人公を猫に変え、「ちょぼっと昔の世界」へと連れて行きます。そこは、既視感のある、しかし、確かに何かが「壊れている」世界。壊れている世界で生きる幼い少女と出会った主人公は、彼女に安らぎを与えたいと切に願うようになりますが…。
 やがて、読み手は主人公とともに「ぶーねこ」の言葉の意味を知ることになります。「壊れている世界」が、「幼い少女」が、リアルの何を象徴しているのか分かった時、そして、意気消沈していた主人公が猫としてできることを精一杯やり遂げた姿を見届けた時、リアルの世界でぼんやりしている自分は何をしたらいいのだろう、と考えずにはいられません。

 メッセージ性の強い作品ですが、「猫」というアイテムを使いファンタジー童話として書かれているため、かえって自然と物語世界に入っていくことができ、作品の言わんとするところを素直に受け止めることができます。作中でも「ぶーねこ」が「猫は何かと都合がよいから……」と語っていますが、まさに言い得て妙なセリフです。

★★★ Excellent!!!

非常にユニークです。
にもかかわらず、「ねこ様ならアリ」と思わせるこの説得力は、作者様の小説技巧とねこ様のワンダー感の合わせ技でしょう(笑)。

真面目な話、無数の平行世界が存在し……というのは古典的なSFのテーマですが、これは一種の「ねこ様神話」ともいうべきものになっていますね。
理屈抜きで世界はこういうことなんだとするりと納得させられてしまう上手さです。

ぶーねこさんが何者なのか、と問うのは野暮でしょう。
「彼」の今後の努力とその成果を信じてあげるのが、読者ができる最良のことなのでしょうね。

★★★ Excellent!!!

人付き合いが煩わしいと感じていた青年。ひょんなことから猫となり、過去の世界へ……。そしてそこで出会った少女……。
子供に読み聞かせたくなるお話ですね。
温かくも不思議な……そして大切な事を教えてくれる。
いかにも絵本向けのお話で、出来れば絵付きで読んでみたいものです。

★★★ Excellent!!!

主人公は、猫となってちょぼっと昔の時代へとタイムスリップする。

そこで見つけたのは、どこか冷たい人びとと、ひとりぼっちの少女だった。
少女に寄り添うように、しばしのひとときを過ごす猫。しかし、その静かなひとときは、ちょっとした不注意で去ってしまい......

最後に寄り添うのは、猫だけではない。それはやっぱり、人と人との、絆から生まれるもの。そっと寄り添い、触れ合うものだ。

心がどこか温かくなる、童話風の不思議な短編だ。

★★ Very Good!!

「僕だけがいない街」にも似たストーリーの構造だが、その根底にあるものはまったく異なる。

人との関わりを煩わしいと思っていた青年が、ぶーねことの出会いによって変わっていく。

柔らかな筆致と不思議な出来事とが非常にマッチした作品。

これもまた読むべき物語のひとつだと思う。

★★★ Excellent!!!

 数ある日帰りファンタジーコンテストの中でこの作品ほど『非日常としてのファンタジー』について考えさせられたお話はありませんでした。
 猫になった主人公は時を遡って1人の少女と出会うのですが、その少女の様子が少しおかしい。その少女の置かれた境遇と主人公がとった行動には胸が絞めつけられました。
 だからこそあのラストにはとても心が救われます。