物語の強制力にあなたは抗えるか

ストーリーを作っているとそのうちキャラクターが作者の思惑を離れて勝手に動き出してくるんですよねー
――という話は創作者からはしばしば聞かれるところですが、実際、虚構内存在たちが自分たちが物語の中の登場人物であること、またその物語のジャンル的お約束までを自覚してしまった物語というのはどこまでそれとして成立し得るか――その可能性のひとつを示しているのが本作品です。

メタフィクション小説というと、世にもさまざまな試みがなされておりますが、異世界転生/召喚ものの、それも一人称の視点転換からいわゆる「エタる」をもネタにしてしまうとは。近況ノートまでもを利用したメタ性はなかなかに斬新です。

Web小説にはそのメディア特性を活かした地平がまだまだ残されている――!! 強くそのように感じました。

おススメです!

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