私は『なろう系』が嫌いです。大嫌いです。ニート、引きこもり、アラサー、アラフォーの何の魅力もない奴が、トラックに轢かれて自分を殺すことで別の世界に蘇る。それも『世界』が主人公を接待してくれる。チート能力を与えられ、複数の女性をはべらせ、『王様』『神様』『なろうしゅ様』と主人公をひたすらもてはやす、記号とかしたヒロインズ。
主人公は何の努力もせずに神から与えられた力を行使します。社会人が金属バットで魔物を殴る? 倫理観の欠片もないです。小学生以下の思考回路です。
しかしそれが受け入れられる世の中なのもまた事実。私は残念でたまりません。
ですが、この小説を読み終えて、同じことを思っている人がいるんだ!っとスッキリしました(^^)
私の言いたいことを全て代弁してくれるような、そんな小説でした!
ストーリーを作っているとそのうちキャラクターが作者の思惑を離れて勝手に動き出してくるんですよねー
――という話は創作者からはしばしば聞かれるところですが、実際、虚構内存在たちが自分たちが物語の中の登場人物であること、またその物語のジャンル的お約束までを自覚してしまった物語というのはどこまでそれとして成立し得るか――その可能性のひとつを示しているのが本作品です。
メタフィクション小説というと、世にもさまざまな試みがなされておりますが、異世界転生/召喚ものの、それも一人称の視点転換からいわゆる「エタる」をもネタにしてしまうとは。近況ノートまでもを利用したメタ性はなかなかに斬新です。
Web小説にはそのメディア特性を活かした地平がまだまだ残されている――!! 強くそのように感じました。
おススメです!