この夏、僕にシツジが憑きました。

田舎のバァちゃんが、ぎっくり腰になっちゃった。

一人でお見舞いに行くはめになった涼君でしたが、田舎の家で待っていたのは、すごくおっかないバァちゃんと、そうめんの好きなやさしいジィちゃんだけではありませんでした。

なぜって、涼君の一族は……。


おかしなシツジと涼君のちょっと(かなり?)風変わりな夏休みにつきあっているような、わくわくハラハラする楽しい物語です。
語り手は涼君なんですが、小学五年生男子の本音がものすごく可笑しくて、笑い過ぎて涙がでました。

涼君のポジションから少しずつ眠田家とオバケの謎が解き明かされる構成の見事さ。
個性的な登場人物たちの魅力。
後半の手に汗握る冒険と涼君の活躍。
全編にわたる語り口の楽しさ。

すべての面において完成度の高い上質な児童文学です。

大人が読んでも楽しいですが、これは子どもの頃に読みたかった!

いいところで終わっているので、どうしようもなく続きが気になります。是非ともシリーズ化して欲しいです。

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