アタックまでいかせてもらえない
皆様部活動はされていましたか?
唐突な問いかけでもうしわけありませんが、本題に入りましょう。
私はあれです。ちょっとマイナー気味かもしれませんが(テレテレ)
バレーボール部です(前どっかで言ってた)。
高校は途中では辞めてしまったのですが(レッドストーンにハマっていたからとは言えない)、中学では一年の途中からバレー部に転部しました。
その前に入っていた部活動はパソコン園芸部です。
あの、
マジです。
インドアなのかアウトドアなのかよくわからない部活動なのですが、基本パソコン室でゲームをして、たまに思い出したように園芸をしながら落とし穴を掘ることが主な部活内容でした。
先輩の一人は、いっつも学ランでパソコン画面と頭を覆って、誰にも見えないように遊んでました。
今更知ったのですが、どうやらエッチな動画を見たりしていたそうです。技術を持つが故に、業が深いです。
というか何より、その度胸がすごいです。
まあこれは余談なので本筋に戻りますが、さすがに青春をパソコンゲームと落とし穴で終えるのもどうかと思い、誘われていた男子バレー部への転部を決意しました。
とはいえ、私もパソコン園芸部期待のホープでした。やはり引き止める声も大きかったです。
先生「お前はその方がいいかもしれないな(お前がいなくなると我が部にとって痛手なんだがな)」
()内?
妄想です。
ちなみに私は一切引き止めがなく特に大きな思い出がないにも関わらず、何故か男泣きをしました(なんで?)。
とはいえ、私はこれからバレーボール部の一員です。
のちに毎年年末に飲み会をするメンバーのほとんどは、バレーボール部繋がりなのです。
私のアオハルは、この時に始まりました!
校長「お前どぼぼどぼーるどぬすかなたごおおおお」
え? なんだって?(ご使用の耳は正常です)
元バレー部か何かだった校長先生が、いつしか部活に顔を出すようになっていました。
脳梗塞の後遺症かまた別の何かが原因で、滑舌が非常に悪くて全然聞き取れないです。
とはいえ、公務員といえども、いえ公務員だからこそ役職がものを言います。一教員のK先生には発言権がほぼありません。だけどせめて発言されるなら聞き取らせてもらいたかったです。
権力を嵩にした趣味ほど厄介なものはないです。
まあ、それだけ男子バレー部に期待されているということですので、ハードな練習にも耐えました。
で、そんな中最大のライバルとの対決が組まれました。
それは、女子バレー部です。
女子バレー部がライバルとは随分と情けなく思いますか? いえいえ。
当時の女子バレー部は奇跡的に見た目はギャルでガラの悪そうなキャラばかりでした。しかも小学生からバレー経験者が多くて、割と強豪でした。
他校からは不良の集まりだと思われていたらしいです。
男子は特に強いわけでもないので、これはバランスが取れるんじゃないかと校長や顧問の先生方は考え、練習試合をしてみようということになりました。
ネットの高さは女子に合わせるため、男子にはこの上なく有利です。身体的な差は梅ようがないですし、男子バレー部が圧倒的に有利です。
それでも尚、女子バレー部は強豪のプライドがありました。
先生は宣言しました。
I先生「もし男子バレー部に負けたら、お前ら校舎周り100周な!」
さすが強豪バレー部を率いるI先生です。罰ゲームがひたすら強気です。
うわあ女子バレー部大変そうだなあ、と考えていると。K先生が言い放ちました。
K先生「女子バレー部が負けたら100周なら、こっちも負けたら100周やね!」
ちょっと
待ってくれませんか?(動揺)
いやいやいや何勝手に罰ゲームを決定してくれるんですかいいじゃないですか勝ち負けなんて関係ないですきちんとバレーボールと向き合ってみんなでがんばったという成果があればいいじゃないですか!
ねっ! 校長!
校長「そおおもああいいりんじやあななあか」
わからんわ!
でもウンウン頷いていたので、とりあえず乗り気なのはわかりました。
ええぇっ……。
ま、まあ勝てばいいのです。
女子バレー部には申し訳ないですが、罰ゲームがかかっているのであれば手加減をするわけにはいきません。
覚悟してください。
これが本当の、男女平等じゃああああああああい!
で
I先生「25-0で、女子バレー部の勝ち」
ふう。
完敗でした(完敗)。
いや県大会常連のサーブはすごいです。
的確に弱いところを狙われ、威力よりも正確性に富んでました。
100周決定のショックに、男子バレー部員はみんなうなだれました。
そんな中、我らが顧問のK先生が一歩前に出ました。
きっと助けてくれるんですね。さすが顧問です。独身なのが不思議なくらいです←ディスるな。
K先生「もう一試合やろうか」
鬼かな?
男子の誰しもが絶望ムードの中、再び行われる試合。
まあ始まった以上は泣き言を言っていられません。
やる時はやります。
かかってこいやあああああああああ。
で、
I先生「25-3で、女子バレー部の勝ち」
運命は変わりませんでした。
ちなみに今回とれた3点は、相手のサーブミスです←救いようなし。
もうどうにでもなれとヤケクソ気味な男子バレー部員に、K先生は告げます。
K「きちんと練習のし直しやね。でもその前に
校舎周り200周ね」
いつ私たちはもう100周借金しましたでしょうか!?
K「えっ、だって、2回負けたから合計200周やろ?」
一試合ごとに加算されるとは聞いてないですよ!?
ちなみに校長はブチギレてましたが、例によってなんて言っているかはわかりませんでした。
数日にわけて200周校舎周りを走ったことで(不思議そうな目で見られつつ)、私たちはより気合を入れることが出来ました。
ボコボコにされたままで終われるほど、私たちは大人しくはないのです。
より気合の入った校長の指導もあり、無限にダッシュをしたりうさぎ跳びをしたり、延々と練習試合を繰り返したり。
夏休みには苛烈な練習に身をやつしました。
吐いたり泣いたり叫んだりといった、青春っぽいイベントもありました。
そして確実に言えることは。
私たちは格段に、強くなりました。
それから、2年……。
幼馴染のTが率いる女子バレー部と、男子バレー部は再び練習試合を行いました。
ルールは前と同じで、顧問の先生も変化はありませんでした。
長身アタッカーのSさん。
堅実で確実なプレーで繋ぐRちゃん。
超中学級リベロのS子。
そして、女子ハンドボール投げの学校記録を軽々と塗り替えた。その強肩を武器とするT。
相手にとって不足はありません。
Iくん、Dくん、Aくん。現在でも付き合いのあるメンバーと向き合い、私たちは円陣を組みました。
男子バレー部「この試合……勝つぞおおおおお」
男子バレー部最大の決戦が、火蓋を切りました!
で、
I先生「25-15で、女子バレー部の勝ち! 校舎周り100周!」
あれ?
世界が平和でありますように(タイトルには騙されないで) 遠藤孝祐 @konsukepsw
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