第5話 ひざまくら

女勇者「……魔法使い、貴様なにをしているのだ」


魔法使い「え? 見てわからない? 戦士さんに膝枕してもらってるんだよ。戦士さんの膝、私好みの硬さそのものなんだよねー」


女勇者「なぜ……戦士はされるがままなのだ……っ!」


戦士「断る理由もないしな」ドクショチュー


女勇者「……。いつも……魔法使いばっかり……」ボソッ


魔法使い「え?」


戦士「…………」


女勇者「はっ。い、いや、違っ……///」


戦士「もう片方の膝なら空いているが」


女勇者「……え?」


戦士「読書の邪魔をしないなら好きに使っていいぞ」


魔法使い「だってー。よかったねー」


女勇者「し、しかしだな……」


魔法使い「どうしたの? すっごい気持ちいいよー?」


女勇者「う……」








魔法使い「もー。女勇者さんは頑固すぎるんだよー。別に誰かが損をするわけでもないんだし、普段からいくら甘えたっていいんだよ。戦士さんにとってそれくらいのことは迷惑にならないってことくらい、女勇者さんだってわかってるでしょ?」


女勇者「だからといって易々とそういうことをするのも……なんというか、リーダーとして示しが付かないではないか」


魔法使い「意地っ張りなんだからー」


女勇者「意地ではない、気位だ」


魔法使い「ふうん。……で、戦士さんの膝枕、気持ちいい?」


女勇者「……最高だ」ゴロン


魔法使い「だよねえ」ゴロン


戦士「(まずい……両足の痺れが……そろそろ……)」プルプル

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【ss】女勇者たちの日常 おしゃれ泥棒 @scarecrow-hage

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