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 「早く、牢に入れて。見回りがくる時間だ!」


 俺達は虫に「フーッ」と息を吹き掛ける。牢に投げ入れた殿様バッタとダンゴムシは、ナギの魔力で俺とセガに姿を変えた。


 俺の姿となった殿様バッタはピョンピョン飛び跳ね、セガの姿となったダンゴムシは床に丸まったままだ。


「……まじかよ。すげぇな。ていうか、俺のダンゴムシ、すでに牢の隅っこで丸まってっし!超、陰気臭い顔してんじゃん!」


「グダグダ言わないで。これで時間は稼げる。二人とも早く行くんだ!」


「……ナギ。ありがとう。セガ、行くぞ!」


「おう!ナギ、地球で待ってるからな!」


 俺達はナギを残し、深い森へと走る。


 森は獣族の領地だが、地球に通じる異次元ポータルが存在している。獣族が周囲にいないことを確認し、異次元ポータルの下に立つ。


「ナギ、大丈夫かな」


「セガ、ナギなら大丈夫さ。エルフの王子なんだから」


 俺達は右手を高く上げ、赤く光る指先で円を描く。空中に丸い穴が開き、次の瞬間、地面から体が浮き、俺達は異次元ポータルに吸い込まれた。


 ポータルの中は夜空に星が散りばめられたような、美しい異次元空間が広がっている。


 広い宇宙の中で見つけた……

 運命の人……。


 ――優香……


 待っていてくれ。


 必ず……君に逢いに行くよ。


 ――運命の扉が開き……


 視界に、太陽の光が飛び込む。


 ――これから始まる……


 新たな未来……。


 俺達は背筋を伸ばし、その地を踏みしめた。


 





溺愛もふもふパラダイス ~異世界の王子が干物女子に恋をした~

――THE END――



※どうやら、②があるらしい。

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溺愛もふもふパラダイス ~異世界の王子が干物女子に恋をした~ ayane @secret-A1

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