黒の冷笑
甲乙 丙
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「会長、報告します」
「ああ、なんだ」
「石派、紙派、鋏派。どの派閥も主張を曲げようとはせず、延々と睨み合いを続けている状況に、どうやらその他に属する者たちの不満が溜まってしまっているようです」
「ハッ、哀れだな。我を通すあまりにマジョリティに目を背けられるとは……。所詮、肩を突き合わせて腕を振るう事でしか自己を表現できない、児戯にも等しい集団でしか無かったということか……」
「どうされますか?」
「案ずるな。我々、黒はこれまで通り、影に潜み、ゆっくりと彼らを取り囲んでしまえば良い。本人も気づかぬ内に、黒に染め上げてしまえば良いのだ」
「白の反発が予測されますが……」
「ハハハ、それこそ無駄なあがきだ。議席の四隅はすでに黒で占められている。やつらがどう抵抗しようとも黒の優勢に変わりはない。反発があれば、そこは捨て置いて良い」
「かしこまりました」
「フッ、これはゲームなのだよ。俗な指遊びではなく、知識に裏打ちされた高尚な知恵比べなのだ。外でいくら騒がしく喚こうとも所詮は盤上の出来事。先を読み、手を打っていれば、自ずと我らの勝利は転がり込んでくる。フフフ……ハハハハ――」
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黒の冷笑 甲乙 丙 @kouotuhei
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