最終話 ~これまでとこれから~
轍洞院 コクテツ インタビュー
聞き手:冨垣 エヌ
――『Satanic Express 666』 完結お疲れ様でした。
コクテツ どうも、どうも。
あーでも、完結ではないと思うんですよ。
――完結ではないのですか?
コクテツ はい、完結はしていませんね。
完結と言うには中途半端な終わり方でしょ?
言うならば、第一部の終わりって感じですかね。
――第一部。と言うことは今後も続いていくということですね。
コクテツ それも分からないな、明確な終点があるものではないですからね。
今回の終了は果てしなく続く道の途中で止まれる所があって、そこに止
まっただけの話であって今後また動き出すのかどうかは別の話ですよ。
――今現在のコクテツさんの心境としてはどちらでしょうか。
コクテツ それは私が決めることではないと思います。
私たちは今まで通りの生活を続けるだけですから、読者の皆様がまた私
たちの生活の断片を見たいと思うなら、今後もシリーズとしてセカンド
シーズンとかで続きますし、必要無いなら続けることはないってだけで
すからね。
――ご自身としては続編への待望論はあると思いますか。
コクテツ 微妙ですね。(苦笑)何より知名度の問題、大きな問題ですからね。
読んで頂いた一部の方からは良い評価も頂いてますけど、どんなに輝く
ダイヤも地中に埋まったままじゃ値段の付けようがないですからね。
まぁ、それを掘り起こすために何か作業をしているかとなれば…
NOなんですけどね。
――では、ダイヤを掘り起こすための作業を今後行う予定は?
コクテツ 必要ですね。でも、この話が続いている時点でやるべきではなかったと
思っています。
これは実験みたいなもので、露骨すぎるパロディーや一部の残酷表現な
どの許容値を計ったり、構成フォーマット自体への反応を見るために始
めた部分が強い作品なので他の方の『商品として完成されている作品』
と同じ棚に並べるべきものではないと考えていましたから。
――実験ですか
コクテツ はい、私たちは可愛いモルモットですよ。(笑)
――では、この作品はあまり公に出回らない方が良いということですか。
コクテツ それは困ります。
データが取れなきゃ実験の意味が無いじゃないですか。
実験メインとは言いましたけど、ベータ版やプロトタイプが実践環境で
機能をして初めてそれがモノとして成立するんです。
だからこそ、現状でもっと多くの読者の皆様に知って頂ければセカンド
シーズンさらにサードシーズンとより良い形を構築していって私たちの
旅は続いていきますよ。
――なるほど。では、この終了は次に向けての準備期間といった所ですね。
コクテツ そうですね。
さっきの掘り起こす作業もこの作品が一通りのパッケージとして固まっ
て用意できる今なら初めてもいいかなって思ってます。
――お話を伺う限りでは、コクテツさんご自身は続きを前向きに捉えてますね。
コクテツ あっ、分かります?(笑)
私としてはこの十二話までの間にやってないネタとかがあるんで、それ
をやりたいなって程度の考えなんですけどね。
――例えば。
コクテツ 話のネタで言えばみんなでスポーツをやりたいとか。
――他の一部の方々はプロレスごっこをしていましたが。
コクテツ それはUWFの話でしょ。要はアレでしょ。
まぁ、私の知らない所ではちょいちょいガチな格闘はしていたみたいで
すけどね。
具体的にはみんなで球技をやりたかったんです、野球とかサッカーとか
セパタクローとか。
そういうのって日常生活には無い感情とかがあるじゃないですか。
――なるほど、他にはどのようなネタを。
コクテツ 料理大会とか日常漫才とか。
――それらの話を『さぶうぇい!』での話として続けることはできそうですけど。
コクテツ そうですね。アレは本編には組み込めない話を扱ってるからできそうで
すけど。でも、本編が終わってるのにサブだけ増えていくっていうのは
どうかなと思いますね。
――あくまでも本編が話の中心ですか。
コクテツ だから『本編』なんですよ。(笑)
――確かにそうですね。
コクテツ まぁ、寿司屋のネタじゃないんで取っておいて腐る物ではないので今後
のためにキープしておきます。
それよりも一番やりたかった事があったんですよ!
――何ですか。
コクテツ キャラクター人気投票!
――少年誌みたいですね。
コクテツ 一応はキャラ文芸というジャンルを名乗っている以上は、読者の皆様に
キャラクター愛を持って頂けないとジャンルとして破綻していると思う
んですよ!
――確かにそうですね。その目安として人気投票ですか。
コクテツ そうです。
でも、今やっても一位5票、二位3票、他全員同率三位0票って結果が
見えているので…(苦笑)
――やはり知名度の問題ですか。
コクテツ はい、大問題です。(爆笑)
――ちなみに、現状だと誰が一位だとお考えですか。
コクテツ う~ん… JB?
――ジャクリーンさんですか、意外ですね。
コクテツ ほどよくエロくて、意外とお茶目で、毒も吐ける。
完璧じゃん!
――それは人それぞれの価値観で変わると思います。
コクテツ ちなみに二位はジャルさんかな。
――理由は見た目ですね。
コクテツ 何で分かったの!
――なんとなくです。というか、非情に短絡的な男性目線の選出な気がしますが。
コクテツ こんなに女の子だらけの話じゃおっぱい大きいほうの勝ちでしょ。
――その発言、キャラ文芸のジャンル崩壊していませんか。
コクテツ えっ……。
(沈黙)
――私なら先生に投票します。キャラで言えばあの人が一番濃いですから。
コクテツ 確かにね。(笑)
――ここだけでも票が割れているので、実際にやってみてもいいと思います。
コクテツ 問題があれば、その割れた票に轍洞院姉妹が居ないことかな。(苦笑)
――そこはあえて選ばなかったということで。
コクテツ まぁ、しーちゃんには負けないかな。(笑)
――話を戻しますが、今後の展開としては『さぶうぇい!』的な完全に一話完結の
路線で行くのでしょうか?
コクテツ う~ん、今後に関しては良くも悪くもノープランですね。
この前寝てたら、いつの間にか駅員さんやデンシャ龍が増えて私としー
ちゃんがお休みが取りやすくなったんで、今まで以上に自由に動けると
思います。
イストシティの外に行くとか、本当に何でもできると思いますよ。
――物語の舞台が広がる可能性もあると。
コクテツ 可能性ですけどね。
舞台を広げるも狭めるも選択肢には変わりないですから、選ばないとい
う選択もありますし。
さっきの球技にしても、未知の土地のチームと戦う他にアナちゃん所の
軍人さん達とガチで勝負するか。現状でイストシティ内だけでも未開の
部分はまだまだあるので。
逆にいつものメンバーでやっても充分面白いと思いますね。
――本当に今後については未定ということですね。
コクテツ そうですね。
でも、その方がワクワクできると思うんですよね。
――ワクワク… 具体的にはどのようなことですか。
コクテツ 今出た話だけでも、「何のスポーツをどこで誰と」って話の要素の組み
合わせが何通りもあるんですよ。それを読者の皆様一人一人が「こうな
ら面白そうだな」考えることによってワクワクできるんです。
――我々が想像することによって楽しみが広がるということですね。
コクテツ そうです。こちらが提示した物だけが正解ではないですから。
この物語に関わる人の数だけ展開は広がり面白くなるんです!
――これから先は読み手が作る物語ということでしょうか。
コクテツ いいえ、これからだけじゃないです。今までも読者の皆様が作って…
いや、作り替える事ができると思うんですよね。
――今までの物を作り替える… 失礼ですが、そんなことできますか?
コクテツ 簡単ですよ。私の顔を描いてみればいいんです。(ニヤリ)
――なるほど… 分かりました。
しかし、それは統一したイメージがないといけない物では。
コクテツ 「長い白髪の若い女性」これが私の統一イメージです。
これさえ守ってくれればどんな顔でも私の絵になりますよ。
――全く違う顔でもですか。
コクテツ はい、もちろん。例えば、同じ曲でもアレンジのしかたで別のジャンル
になる事と一緒で、AとBの顔があったとしてもそれはそのアレンジと
いうか私の別バージョンって事になるだけで、どちらも私ではあると思
います。
――それは他の登場人物の方々にも当てはめていい物でしょうか。
コクテツ もちろん。しーちゃんなら「黒髪ボブの女子高生」が彼女の外見の統一
イメージですから。それに当てはまる姿なら大体はOKです。
あとは話の流れで受けたイメージをその外見のイメージに落とし込めば
しーちゃんなんですよ。
――曖昧な設定ですね。キャラ文芸としては致命的では?
コクテツ いいえ、あくまでも外見の話ですから。キャラクターとしての軸はぶれ
ていないと思います。
あえてこちらが提示する情報を少なくすることによって出てくるキャラ
クター像をできる限り読者の皆様の自由にしたいんですよ。
――そこも読者の皆様ありきだと。
コクテツ はい。その事を逆に言うなら想像力が無い人には読めない、読めても
100%は楽しめていないものになってはいますね。
――読者に不親切な読み物であると。
コクテツ これは何かのマニュアル本ではないので書いてある文字のまま頭の中に
突っ込むものではないんです。書いてないところにこの物語の面白みが
詰まっているんです。
まぁ、でも小説ってそういう物じゃないですか?
――確かに、多かれ少なかれ想像する楽しみはあります。
コクテツ ただ、それはこの作品の話としての部分であり全てではないんですよ。
――すみません… 少し意味がわからないのですが。
コクテツ これは小説としてもある程度機能する台本なんです。
――台本ですか。
コクテツ そうです、逆でも良いんですけどね。
この話は見て楽しい設計図であって、完成品ではないんですよ。
――では、この作品の完成とは。
コクテツ そこを一番想像して欲しいんですよ。
漫画・アニメ・絵本・舞台、何でもいいんです。この作品に現状で一番
足りていない視覚的な楽しみを埋められたら…
それが一つの形の完成です。
――完成にも何パターンもあるわけですね。
コクテツ はい、今言ったジャンルの違う形での完成もありますし。同じジャンル
でも違う場合もある。何もこの話を十二話とおまけ何話全部を組み立て
る必要も無い、特に好きな一話を組み立てても良いんですから。
――全ては読者の皆様から変わった作り手の皆様に委ねると。
コクテツ ええ、そうです。
本当に読者の皆様あっての作品ですので、それは何よりも大事にしたい
と思っています。
――では、最後に続編または今作の完成に向けて一言お願いします。
コクテツ 『Satanic Express 666』を読んで頂いた皆様、本当にありがとうござ
いました。今後『Satanic Express 666』としての続きの予定はありま
せんが、私自身はまた皆様のお目にかかれると信じています。
Satanic express 666 七針 ざくろ @zacro_7
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