さよなら
誕生日おめでとう。
たとえきみが大統領になっても、ノーベル化学賞をとっても、きみにはなんの価値もないし、きみの人生になんの意味もないよ。
あのね、たくさんのいけないが、わたしたちを人間にしてくれるけれど、本当にそうおもうなら、きみは死んでもいいよ。もしもまだ生きていいなら、最近話題の映画でもいっしょにみにいきたいけれど、きみは死んだっていいよ。
あー、なんか世界とか滅んでくれないかなあ。そう思う夜がつづくね。だけど明日はくるんだろう。いまはそう思えないかもしれないけれど、夜道も歩きつづければ朝になるから、きみはそっちにいていいんだ。さよなら。暗がりと別れればそこはひだまりだよ。太陽のまぶしさに目をつむるのは最初だけですむから、そんな心配しなくていいよ。始発電車にのって好きなところにいきなよ。熱海とかどうかな。
誕生日おめでとう。
たとえきみがテロリストになっても、クーデター成功させても、きみにはなんの価値もないし、きみの人生になんの意味もないよ。手をにぎればあたたかい。それがすべてだよ。それだけでいいよ。
汚れた靴底で人生の細片を踏みにじる ささやか @sasayaka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます