リアルに夢を見せてくれる小説。そして、自分で作りたいものがない人としては、自分の作りたいものがあって、それを作り上げてゆく様子がとても素敵なことに見える。
読んでいて、ストルガツキーの「月曜日は土曜日に始まる」をなんとなく思い出したり。
arduino や raspberry pi や などが手軽に手に入るようになってもう 10 年以上。今やAutodesk 製品は学生(含む高校生)なら無償で、3D CAD から 構造計算までできちゃう。3D プリンタもいろいろなところで使えるようになったり、金属も加工サービスは結構お手軽。電子回路も CAD や simulator は手に入るし基板も安く作れるサービスがたくさん。ちょっと凝るならPSoCだってあるし、 FPGA とかだって手が届く範囲。
どこまでやるかは別として、ここにでてくるようなものの設計とシミュレーションまでは、できる高校生ならお金かけないでできちゃうし、なんだったら(この世で魔法は見つかっていないとおもうんで)魔法使わない部分は作っちゃうのだって可能。VR にしちゃえばそれこそお金かけないで体験するのも可能。
この小説を読んで楽しそうって感じて、実際に試してみる人は出ないのかな。
タイトルの魔女5人
魅力的な女性にかこまれたハーレムものというのがすぐわかる。
だけど、本当に魔女なんですね。彼女たち。学生コメディの体裁なので彼女たちが魔法を使うことができても魔女という意識をなく読んでいて、途中…(読み始めたのが200話掲載後だったため、50話を超えてから)で急に、魔女、と気が付きました。魔法科高専の生徒なので魔女です。感覚的に比喩的なものだと思っていたのがウソ偽りがないと感じた時のこそばゆい感覚味わいました。
魅力的な女性たちに囲まれてドキマギする感覚が好きなかたにお勧め。一話、一話を短くしてあるため、サクサク読み進める感覚も気持ちいいです。
聟島ってどこにあるのとか、空飛ぶスパゲッティモンスター、ピンクのユニコーン。調べたくなるものがでてきたり、知っていたりすると嬉しくなるような単語などでてくるところなどもピンとくる人にはたまらないのじゃないでしょうか。知らない人が単なる作者の空想上のものと読み飛ばすともったいない部分です。
そこは『魔法』が存在し、
人々がなんとか『科学』体系として「探求」と「応用」の日常技術に取り込みつつある、
我々の21世紀と全然違うようでいて、意外とそんなに変わらない
〈現実の世界〉。外で全裸は許されない。
期待と不安に揺れる人類社会は、『魔法』を ”現実のもの” にするべく、
世界各地にいくつかの、研究を主体にした亜・治安保護地域、
「魔法特区」を設定。当然、ここでも外で全裸は禁止である。
その内の一つ、小笠原諸島『聟島(むこじま)』の研究学園区、「国立魔法技術高等専門学校」で、
主人公・長津田 修(魔法工学科所属)は
解析やメンテに少しばかり便利な魔法の使い手であり、妙に正道を外れる
「あの長津田」としてちょっとだけ知られる全裸とは縁のない存在だった。
とんがった変わり者ぞろいの「魔法高専」では、年上のかつて憧れだった幼馴染である
美人学生会長・薊野 由香里(普段は服を着ている)ともなんとなく距離を置き、
実力相応にあまり目立たぬよう過ごそうとしていたのだが……
春、進級目前の穏やかなある日、
修を慕って同校魔法工学科に入学してきた誰よりも近しかったもうひとりの幼馴染、
学生会長の実妹でもある薊野 香緒里(この時は全裸ではない)が現れたことで、
徐々に “そこはかとなく平穏” だった日常がズレ始めていく……
――そう、世界に『魔法』があるのならば、
『魔女』(全裸成分)もまた当然のように現実の狭間に実在するのだ……!
修の穏やかだった日常は、音を立てて崩れた。
それからというもの、発明した魔法道具で小遣いは増え、キャンピングカーは自衛隊を煽るように空を飛び、
全裸の少女たちが浜辺でキャッキャ(´∀`*)ウフフと駆け回り、某国の秘密部隊は問答無用の襲撃っ、
高級マンション最上階での同棲を強要された挙句、作らされた露天風呂では美少女たちがまた全裸で全裸で全裸でぜんらとはマッパのことっ!
――生半可な『科学』も「日常性」も無力っ、せめて「世間体」は仕事して!!
……興奮してすみません。
リズムある文章とテンポ良い会話、そして背後には緻密な設定!
自分を特別だとか思っていないちょっと個性豊かな登場人物たちが、
右往左往しながらほんの少し外れた日常をいきいき(時々全裸で)謳歌する、
そんなお話かもしれません。
……一つ、忘れるところでしたが、厳密にはタイトルが正確ではありません。
『機械オタクと周囲にいる魔女がいつもだいたい5人くらい?』の方が
近いと思います。
“1日3回更新”の、チカラ技を讃えるが良いっ!!