終章 そして、その先も続いていく
終章 今日の次の、その先へ
春の社員旅行は沖縄は那覇7日間ステイ。
ウイークリーマンションを4部屋借りてひたすら自由行動。
車も3台借りたので美ら海水族館とか玉泉洞とか観光もした。
でも楽しかったのは観光よりも知らない街での共同生活の方だ。
気候も特区と同じ感じで過ごしやすいしな。
ただ温泉は無かったので、これは夏の旅行でカバーするとしよう。
さて。
俺達はマンションに帰って来た。
居住者は右側、会社勤務員は左側から中に入る。
中はつながっていて右側区画が由香里姉、香緒里ちゃん、ジェニー、俺の居住スペース。
左側区画は全室畳敷きの保養所区画。
寮なり分譲団地なりマンションの自室だのがあるのに、休み中は皆ここに入り浸っている。
それはまあ、俺達も同じだけれど。
由香里姉も鈴懸台先輩も大学院に進学した。
月見野先輩は魔法医学専攻なので6年まではそのまま。
魔法関係は研究者が圧倒的に少ないので、院への進学率がかなり高い。
大卒で就職するのは企業の研究所就職、後は警察官や消防や自衛隊の特殊採用位だろう。
教員も専修免許とるなら院2年必須だしな。
なので人員はそのままだ。
まあ新入生が入ればまた増えるだろうし、そろそろ奈津希さんの帰国の話も出るだろう。
そうしたら今度こそ全員集合だ。
それに……俺は思う。
俺達は変わる。
変わり続ける。
機械オタクで顔見知りとしか話せなかった俺がこうやって皆に囲まれて過ごしているように。
誰かが卒業して就職したり、他の特区に研究に行ったりする事もあるだろう。
故郷に戻る人もいるだろうし。
それでも俺達はここにいる。
今この時に、この特区に、この場所に。
それは間違いない事実だ。
そしてこれからも。
会おうと思えばいつでも会える。
今と同じように何でも話せる。
たとえ何年経ったとしても。
このマンションが建て替えになる位ずっと先でも。
望めばきっと手が届く。
皆で笑い合えるままの明日へ、その先へ。
機械オタクと魔女5人 ~Machine Nerd~ 於田縫紀 @otanuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます