童話のストーリーの核になるモチーフを宿している異能者たちが、童話から生まれた、簡単に言えば悪霊のようなものと戦う話です。
大抵の話は、親のかたきがラスボスだと思うのですが、この作品は、自分を取り巻いてきた数々の不幸の元凶をつきとめ、自ら制御を試みるところから話がスタートします。

敵の強さも、題名、主演、悪役……と、童話モチーフらしく、討伐完了のシステムも書物ならでは。
バトルシーンはスピード感があり、倒した後はすっきり感。
誰もが知っている話ですし、万人受けの異能バトルものだと思います。

孤独で社会に馴染めない一人の少女。
その少女の力は、自分の全てを壊してきました。

少女が望んだ罪ではないけど、
少女はその罪悪感を抱いて今まで逝きてきた。
誰も少女の罪を許すことが出来ません。
その罪を許すのはどこの誰かではなく、少女自身であるべきでしょう。

人生は絶望と希望を織り交ぜ作られる罪と罰の物語です。
きっと正しさなんてどこにもなく、少女も私たちも迷い続けるでしょう。
でも迷うというのは、前に進もうとするから生まれるものです。

これは、そんな少女の迷いの物語になります。
一緒に見守ってあげてください。

異能と聞いて期待するものはバトルシーンだろう。戦場に漂う緊迫感や、人物の高揚感が伝わってこそ世界観にのめり込むことができるのだから。
「グリムハンズ」は、そんな要望に応えうる一作になっていた。

ストーリーの流れもシンプルで読み続けやすい。
仲間とのやり取りにくすりとしたり、思わぬ過去にしんみりしたりするという王道らしさもあればピュアな恋愛要素もある。
作品一番の魅力である童話モチーフが、これほどまでに面白いものを生み出すとは思いもよらなかった。
登場人物がバトルシーンで異能名を口にする部分は、何度読み返しても胸が熱くなる。

誰のせいって言われたらお前のせいじゃないっていう。こだまでしょうか。いいえ、誰でも。それでも自分のせいって罪を抱えてしまうがゆえに心は孤独。

大事なものをなくして、誰といても独りぼっち。

傷は癒えない？


軽快なテンポで紡がれる彼らの物語が、何に向かいどう完結するのか。最後まで、ぜひ最後まで読んでほしい、渾身のレビューを書きたいです。読んでほしい()

会話の面白さとか、ほめるとこはいっぱいあるんですけど、途中でやめないで！いい話だから！と懇願したい。絆ってそんなすぐに結ばれないんだけど、なんやかんやあってすごく強くなるチーム『童話研究会』を愛でたい。入部します。

童話や神話などの物語には、力があります。

誰もが知っている、そんな物語たちを新たな解釈を交えて描いた物語と言えるのではないかと感じました。

現実に顕現するワードという物語のキャラクターを封印するために、童話研究会に所属する者たちは、同じく童話の力を用いてワードたちを封印していきます。

シンデレラ、桃太郎、眠れる森に美女など。童話を元にする力。それらを使いこなすためには、きちんとその物語に対する理解をしていなければできないと感じました。

これはきっと、新たなる童話。

その名こそ

グリムハンズ。