第42話 出版戦略と選択肢
「戦略とは何か」と問われれば人によって様々な答えがあるでしょうが、私は企業相手の相談であれば一般的には「ヒト、モノ、カネの傾斜配分」と答えると思います。
ですが、一個人のなろう作家予備軍でしかない自分には、そもそも配分するだけの資源も自由度もありません。大企業と中小企業の戦略は自ずと異なります。中小企業の戦略は、個性化と一点突破です。
その例に習い、個人である私も何か一つだけに目的を絞り、そこに向かって全ての資源を集中する必要があります。
私は、その目的を編集の方達との議論から「本屋の平積みの売り場で目を惹く」ことに絞ろうと考えました。
本屋さんに何か面白い本はないか、と足をとめた人が「おっ?」と多くの本の中から拙著に目を惹かれる、そうした場所に置かれたい、と思ったわけです。
ラノベやなろうの書棚に置いて「なんでこんな所にビジネス書が?」と思ってもらうか、ビジネス書の棚に置いて「なんでこんなところにラノベが?」と思ってもらう選択肢、と言い換えても良いかもしれません。
想定読者は自分ですから、取るべき選択肢は後者の方に傾きました。
もう一つ、考慮した要素があります。
現在のなろう書籍は、多くの出版社やレーベルが進出し明らかに供給過多であるように私には思えました。多くの読者さんが応援し、購入して下さっていますが、市場の大きさには限界があります。
ですから「なろう書籍の読者のシェア争いをするよりも、できれば外からお客さんを呼んできたい」という想いがありました。普段はラノベを読まない層の形にも「読んだことはなかったが意外と面白い」と感じて欲しかったのです。
それからもいろいろとありましたが、結局は、ビジネス書として出版する道を選ぶことになりました。
その選択肢が正しかったかどうかは、読者の皆様の応援と裁定を待つしかありません。
書籍化の打診が来ています -出版までの遠い道のり- ダイスケ @boukenshaparty1
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