黒い穴、それはあなたが絶対に、見れない穴。

僕たちは目を通してテクストを解釈し、筆者の頭蓋の裏の世界を己の中にありありと再構築させる。僕は己の一部を相手に滑り込ませ、それを住まわせる物語を書きたかったが先を越された。よくある異世界作品どころか、とんでもない純文学。りえりーの言葉はまるで注射針。僕たちの意識へと異世界を注入してゆく。トロイの木馬のように。今紛れもなく異世界は己の脳にある。作中で幾度も言及された黒い穴とは他ならぬ、目ではないか。

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