その時、歴史は太陽に背を向けた

 本作は吸血鬼の帝国となったイギリスを舞台に、姉の代理として女装しながら生きる主人公を通して描かれる「渇望する狂気」の物語かもしれない。彼はなにを求め、なにを欲しているのか。与えられて刷り込まれたもの、背負い込んで一つになったものの他に、彼はなにを得たいと願い、なにを望むのだろうか。注目作である。そして、なにをおいても耽美で退廃的な作中の雰囲気、この世界観を演出する筆力にも賛辞を送りたい。オススメです!

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