本作は吸血人の国「大英吸血帝国」を舞台にロボットが戦う独特の雰囲気のSF作品ですが最大の特徴は主人公「柏崎刈羽」にあると思います。
虐待を受け姉を失い新天地に向かうも貴族の間にトラブルが発生し、新たな家族すら失う。
さらに某組織から勧誘を受けるなど多くの困難に見舞われます。
まさに彼の人生は暗闇に包まれているかのようで悪態の一つもつきたくなるでしょう。
やがて彼はとある行動を起こす事になりますが……。
その結果は是非、本作を読み進めて見届けて頂きたい。具体的には『青空』のエピソードがこの作品の本質のような気がいたします。
暗闇を抜けた先に光差す蒼穹がある事を祈らずにはいられない、そんな感傷を抱かせてくれる作品でした!