第26話 誓いの場所で

「外道が・・・」

「なんとでも言ってください。何を言ってもここは茶臼篇。千手のお膝下ですから」

「何をしてもいい・・・なんて言わないよな」

どんな事があったといえ、罪のない子供を殺すのは違っている。・・・とは言え、ここは奴らの土地。暴れることも出来ない。

「・・・納得いかないようですね・・・どうしたらわかって頂けるのでしょうか?」

てめぇの部下がやったこと、そしてお前がやったことをすべて白紙にすることなど出来ない。白い服に、インクをぶちまけるのと同じように、消す専門の洗剤がない限り・・・それが、

「タイマン貼るしかねぇだろ、、、」

ふっ、と笑ったメアシャーク。天井を見上げて囁く。

「いいでしょう。これ以上私たちのやり方を邪魔されたくありませんし」

「そうか、」

だが、メアシャークは急に睨み言った。

「しかし条件付きですよ」

スタークジェガンはメアシャークを睨め返した。

「何故お前が条件をつける?」

すると少し強ばった顔でスタークジェガンへ返答する。

「貴方から差し伸べたやり方です。それを受け入れる条件です。否定は、出来ないはずですが?」

・・・仕方あるまい。

「っ、それで?何が条件だ?」

「条件、と言っていいのか分かりませんが、もしも私が勝ったのなら、一人の人間を殺してもらいます。よろしいですね、」

人を、殺す?

「どうゆう事だメアシャーク!お前、殺しを他人にさせるのか・・・?」

メアシャークは動揺せずスタークジェガンを見つめて口をひらく。

「それは私の自由でしょう。貴方に説明する義理がありませんからね。それでも受け入れられないというのならば、貴方を今すぐあの海に沈めてやりましょう」

・・・こいつ正気かよ。真面目に言ってんだったらやべぇ奴だな。だけど、ここは引き下がれない。俺は・・・・・・

「俺が勝ったら、今すぐ地上へ戻せ。俺以外じゃなく、戻りたいと言う奴皆をだ」

この場で今すぐ地上へ戻りたいと思っている奴は、恐らく多くいるだろう。自分が殺されないように、仲間が、殺されないように。

だから負けられない。・・・決めなければ、

「分かりました、いいでしょう。」

交渉成立。試合開始。

「いつでもかかってこいやぁ!!」


§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§


勝負は一瞬だった。

パァン!

と、1発の銃声が響き渡る。その拳銃を打ったのは、メアシャークだった。

「・・・っぐはっ!」

その銃弾はスタークジェガンの脇腹へ直撃した。スタークジェガンはもがき苦しみ、意識が遠くなっていく。銃弾を受けた時の痛覚は、人間が考えられる痛さのはるか数倍だろう。

「スタークジェガンさん。貴方は確かに怠慢を貼ると言いましたが、ルールは言いませんでしたね。それが貴方の過ちでしたね・・・」

なん・・・だと・・・と、いい返そうと思ったが、生憎もうそんな力など残されてはいない。意識が、遠く、、なって、、、いく、、、、。


「・・・んっ、んぁぁ」

ぼんやりした視界で見知らぬ天井を見上げる。やけに重たく感じる身体をよっこいしょと持ち上げる。何故今ここに自分がいるのか、今まで何をしていたのか、全てはっきりと覚えているが、何故だろうか、いつもより、いや、比較にならないほど体がだるく感じている。歩くのがやっとな程に。見知らぬ天井の場所は、病院だった。清潔なベッドに白井カーテンの外には紅葉。記憶をたどってみれば撃たれたはずの脇腹は、一切の傷がない。確かに撃たれたはず。

「くそ・・・わけがかんねぇ・・・」

重い体を縦長の鏡へ向かわせ、自分の全身を見る。

「・・・な、なんだこれ・・・」

そこに反射した物は、


一人の小さな少女だった。




「めでたしめでたし」

・・・

「じゃねぇぇぇ!!!」

一人の青年の声が響き渡る。

「いきなり大声を出すなユウキ殿」

「いやだすだろ!え!?いきなりお前の過去話されて!?元々はおっさんだった!?」

「いや、おっさんとはいっておらんじゃろ」

「んなことはどーでもいい!俺にはそんな趣味ないからな!?ロリコン舐めんな!」

「ピーギャーうるさいのぉ」

「誰でもそうなるわ!ってか、最初に出てきたカヤバとか!そのメアシャークとか!全く解決されてないんですけど!ってかメアシャークってアイルと同じ苗字なんですけど!」

わけがわからんわこのペンたらポー!

「世にもわからん。だから一人じゃめんどくさいからお主に手伝ってもらおうとしておるわけじゃ」

いや初耳ですけど!聞いてませんけど!

連れてくとかそんなことひーとーこーとーもーゆーておりませんけどなにかぁ!?

「まぁそうゆう事じゃ」

じゃねぇから!なにながそうとしてんのちゃっかり!

「はぁ!?じゃあスタークジェガンのそのしゃべり方は!?」

「しるか」

「んじゃあなんでそんな秋葉のお兄さん達が喜びそうな見た目なの!?」

「しるか・・・てか秋葉ってどこだよ」

「くっそ・・・わけがわからん」

「あんしんせぇ!世もじゃ!」

なんだろぅ!ちっちゃい子なら許せるのにスタークジェガンのホントの姿知っちゃってから吐き気しかしないんだけど!いや!殺気の方が上かも!

「はぁ・・・ってかなんで俺が連れてくことになってんだ」

「当たり前じゃろう。面倒だからじゃ」

お前は人をなんだと思っていやがる。

「まぁ・・・それなりの報酬はだすからのぉ・・・」

・・・・・・なんだと・・・?ほっ・・・ほうしゅう・・・なんてことだ・・・金か?家か?女か!?

「・・・その報酬とは何だ・・・?」

「それは・・・」

(; ・`д・´)ゴクリンコ・・・

「の前に絵文字使うな」

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Re.start〜僕がセカイから消えたとしても君に好きと叫ぶだろう。〜 五十嵐 のるるん @Noruon

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