お片づけ問題は、言葉にできないSOSなのかもしれない。

長編『お片づけの依頼はエルムバンクまで』のスピンオフ。
マキカは、どうしても寝室だけ片付けられないベティから依頼を受ける。

私事で恐縮ですが。
昔、口に出さない要求に従わせようとする人が周囲にいまして。
振り回されて疲弊したので、
「明確に発言されない要求は存在しないものとして扱う」
(子供は除く)(もちろん私自身にも適用)
というのが信念です。

立場上、ベティの口からは絶対言えないのはわかるんですよ。
これは周囲の人が察してあげなきゃ駄目だ。
でも、私の信念との折り合いをどうつけよう……。
と悩んで、7月に読了したときには感想を書けず。

再読しました。
ベティは、「気づかせないように頑張ってる」んだ。
察してチャンではない。
口に「出さない」と「出せない」は、大きな違いがあるんですね。
頑張ってる人の心から漏れてしまうSOSは、誰かが気づいてあげなきゃいけないのではないか?
――という結論にようやく到達したので、今更ですがレビューさせていただきます。

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